NO.45

花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ

□イネ科の植物もウォッチングしよう

オー君 「ねえ,花ちゃん,見て見て。あら不思議。お手手の中からケムシ君の登場だ。反対にするとケムシ君のさよならでーす。」 ケムシ君
花ちゃん 「うわー,おもしろい。私にもやり方教えて。あ,そうか,エノコログサを使うのね。なるほど,これはおもしろい。ちょっと待って,あれでもできるかな。」
  そして,しばらくすると,花ちゃんはエノコログサのお化けのように大きなものを持ってきたとさ……。
花ちゃん 「できる,できる。チカラシバのジャンボケムシでーす。」
オー君 「なるほど,こいつはおもしろい。おいらもやってみよう。」
花ちゃん 「オー君。エノコログサもチカラシバも,どっちともイネ科の植物ね。」
  エノコログサ チカラシバ
オー君 「え! イネ科の植物? そういうのもあるのか。おいら,知らなかったな。」
花ちゃん 「あのさ,私,思うんだけど,イネの仲間の植物って,秋になるとたくさんの実をならせるのね。」
オー君 「そうか,お米だってイネ科植物だ。」
モンタ博士 「二人とも何をお話ししているのかな。モンタ博士も仲間に入れておくれ。」
花ちゃん 「秋になると,イネ科の植物があちこちにいっぱい見られるという話をしていたんです。」
モンタ博士 「そのとおりだね。イネ科の植物に関心を持つということはすばらしいことだよ。」
オー君 「どうして,そんなにすばらしいのかな。」
モンタ博士 「ふつう,きれいな花というのは,どんな花かな。」
花ちゃん 「今,一番きれいなお花といえば,いろいろあるけど,やっぱりコスモスかな。ピンクの色がステキだわ。」
オー君 「ノギクの仲間もいっぱい咲いているよ。」
モンタ博士 「そうだろう。コスモスやノギクには色があるよね。ふつう,みんなはきれいな色の花ばかりに気づいてしまうだろう。ところが,イネ科の植物って,目立つ色なんてあんまりないだろう。」
花ちゃん 「そういえば,エノコログサにしても,オヒシバ,メヒシバ,それから,ススキやジュズダマにしても花は目立たないわ。」
  オヒシバオヒシバ
オー君 「そうだね。イネの花なんて,おいら知らないもんな。」
モンタ博士 「そうだろう。だから,そういうイネ科の植物に気がつくということは,すごいということなんだよ。」
花ちゃん 「どこにでもあるイネ科植物もこれからは,よく見ることにします。」
オー君 「そうしよう。それにしてもイネ科の花は地味だな。」
モンタ博士 「モンタ博士が思うには,ほかの植物にはない『線の美しさ』があるんじゃないだろうかね。それからイネ科はめしべはとってもきれいなんだ。今度ルーペで見るといいよ。チゴザサのめしべはピンクがとてもきれいだよ。」
  チゴザサ
チゴザサ

▼イネはもともと熱帯の植物

 主食を米にした日本では,米の栽培(さいばい)の歴史は悲惨(ひさん)な飢饉(ききん)との戦いの歴史でもあった。今では品種改良も進み,病害虫への耐性(たいせい)も獲得(かくとく)してきたが,冷害には弱いところがある。それはなぜかといえば,植物が繁殖するときに最も低温に弱いのがおしべであり,特に花粉が成熟(せいじゅく)する時期であることが分かってきたからだ。イネの結実にはしょうがいが起きるのは穂(ほ)が出て10日前後であり,この時期を穂(ほ)ばらみ期という。穂ばらみ期に実験的に4日間だけ温度を12度にしておくと,半分以上の花粉が異常(いじょう)になり,米は実らないのである。米の品種改良が進んだとはいえ,もとは熱帯地域に起源する植物なのだ。なお,熱帯から北海道まで約7000年の歳月を要して伝播(でんぱ)したのであり,他の野菜でもそうであるが,イネ科の品種改良も先人が残した歴史的遺産というべきものである。


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