花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ


 ケヤキの葉っぱでインスタントエンピツけずり(植物マジック)
モンタ博士,この前は,植物を使っていろいろなマジックを見せてくれたでしょ。ほかに楽しい実験はないの。」
そうだな,いろいろあるけど,今日は,エンピツのしんをけずる実験のお話をするね。」
え? エンピツのしんをけずる?」
そうだよ。エンピツのしんの先が丸くなってしまって,字がじょうずに書けないときがあるよね。そんな時にある葉っぱを使って,しんの先をとんがらせる実験さ。」
え? そんなことができるんですか。」
それじゃ,葉っぱを使ってインスタントエンピツけずりができるということ?」
そのとおりさ。花ちゃんもオー君もいろいろな葉っぱをさわったことがあると思うけど,葉っぱの表面というのは,つるつるしていたり,てかてかに光っているものがあったりするけど,中には,ざらざらしているものもあるんだよ。そいつを使ってエンピツのしんをけずるのさ。」
何だかおもしろそうですね。」

ケヤキの葉
花ちゃん,いっしょにエンピツのしんをけずろう。でも,どの葉っぱでやるの。」
そうだね。校庭にもいろいろな葉っぱがあるからね。そうだね。ケヤキの葉っぱでやってみるといいよ。」
それ行け! レッツ・ゴー!!!」
あらまあ,もうすっ飛んで行っちゃった。」
だいじょうぶだよ。みんなに実際にエンピツをけずってもらうために,ケヤキの葉っぱを用意しておいたから,今からやってみようね。」
エンピツの先を少し丸くしてからやってみるわ。あらまあ,ほんと! けずれているわ。これは自然のインスタントエンピツけずりだわ。インスタント紙やすりみたいですね。」
あまり強くけずろうとすると,葉っぱがやぶれるから気をつけてやろうね。」
モンタ博士,ケヤキのほかには,どんな葉っぱでできるんですか。」
ムクノキ,ハルニレ,アキニレ,エノキなどニレ科植物はだいたいOK。どうしてけずれるかというとね,かたいトゲのような毛があるからなんだよ。トゲにはガラスがふくまれているからさ。」
ハルニレ
アキニレ
ムクノキ
エノキ
植物の中にガラスがあるってホント?・・・・・・
 ニレ科植物は,葉の表面の毛にケイ酸を含んでおりザラザラしています。物を磨く時に昔は使われました。ムクノキの語源は剥く(むく)で磨くという意味です。ケイ酸とは,珪素と酸素と水の化合物で岩石などの主成分で,天然には水晶や石英などに存在します。そのケイ酸は植物にも微量に含まれています。特にイネ科植物には多く,ススキの葉で手を切るなどは,このケイ酸の仕業です。細長いイネ科の葉がまっすぐに立っているのも,ケイ酸が多く含まれているからです。


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