花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ


 星の形の毛・星状葉(葉の表面にあるいろいろな毛)
ニュース,ニュース,大ニュース。今日はすごい発見をしたぞ。」
まあまあ,モンタ博士,そんなにあわてないで,ゆっくりとおちついてください。発見って,何がどうしたんですか。」
あのね,この前ね,ぬかみそをつけようと思ってね,ナスをよくよくじっくりと見たんだよ。葉っぱに黒っぽい点々が見えてね,それをルーペで見たら……。な,な,何と,葉っぱにいっぱい星が見えたんだ。」
ぎょ!!! 星だって,何だそりゃ???」
モンタ博士! 星というのは,夜空に輝くもので,葉っぱの上になんかありませんよ。まじめにやってください。プンプン!!!」
そんなことないんだよ。葉っぱだけじゃなくて,がくとよばれているところにもちゃんとあるよ。この前,スーパーで買ったナスもルーペでみたらあったよ。それじゃ,今からルーペで見てごらん。」
わあー,何これ,ほんとだ。おもしろーい。」
モンタ博士,この葉っぱやがくの星みたいなのは何なの。」
さすがは花ちゃん。いい質問をしてくれるね。その質問を待っていたのさ。」
本当にぼくもおどろいちゃったな。だって,葉っぱの上に星があるんだから,ふつうは,葉っぱの表面なんかには,毛とかあるのがふつうなのにね。」
さすがはオー君。いいところに気がついたね。そのとおりだよ。あの星の形をしていたものは,毛なんだよ。」
毛,け,ケ…本当に毛なの? ケケケって笑っちゃいますね。」
オー君。つまらないしゃれを言ってる場合ではありません。モンタ博士,植物の毛って,いろいろあるんですか。」

腺毛         T字状毛        星状毛          鱗状毛
いろいろあるんだよ。短いの長いの,太いの細いの,かたいのやわらかいの,まっすぐだったりねじれていたり,ほかにも,ナスのような星型の毛もあれば,忍者が使うしゅりけん型もあるんだよ。毛の先がふくらんでいるのもあるよ。」
なるほど,ナスのような星型の毛のことを星状毛(せいじょうもう)というんですね。ぼく,また一つかしこくなった感じだな。」
ところで,モンタ博士に質問なんですが,星状毛というのは,ナスだけにしかないんですか。ほかの植物にはないの。」
さすがは花ちゃんだね,いい質問をしてくれるね。次にお話ししようと思っていたところなんだよ。」
ナスのほかにもあるの。教えてください。」
あるよ。ムクゲという木を知っているかな。夏に白やむらさき色の花をつける木だよ。」

ムクゲ(アオイ科)
私,知ってるわ。」
それじゃ,ぼく,ルーペで見てくるね。行ってきまーす。」
あらまあ,すっ飛んでっちゃった。もうほかには星状毛を持った植物はないの。」
ところがどっこい,まだまだあるんだね。星のように5本のもあれば,なかには8本,10本,20本といろいろあるんだよ。例えば,ウツギ,マルバウツギ,ヒメウツギ,アカメガシワ,センダン,ボダイジュ,ハマボウ,グミ,オニグルミ,カシワ,イチイガシ,オオバヤドリギなどなどね。」
ふーん,いっぱいあるんですね。私もこれからいろいろな葉っぱを見て観察することにします。」
ナス(ナスビ)・・・・・・
 夏野菜の代表。焼きナスは最高美味。漬物もうまい。味噌と炒めれば,栄養価も増すとか。ただし生でかじるとカスカスしてまずいし栄養価も低い。生でうまいといってるのはスズムシくらい? 生食のカスカスの食感が転じてナスになったとか。なお,「ナス紺」といわれる独特な紫色はアントシアンの一種のナスニンという色素によるもの。
ムクゲ・・・・・・
 朝日新聞東京朝刊の1面に四季おりおりの草花が解説入りで掲載されています。とっても楽しみなコラムです。ムクゲについて記されていたので,以下引用します。「韓国の国花。一日花だが次々と咲き,漢名の木槿花(もくきんか)が韓国では無窮花(ムグンファ))(永久の花)に通じると愛される。… 木蓮(きはちす)の意味。… 」(2001年9月19日 朝刊)


戻る    【てくてく自然散歩シリーズ】 トップへ戻る
copyrights