ハチのひみつの世界 10 「ルリジガバチ」
「うわあー,きれいなハチですね。」 | |
「これはね,ルリジガバチと言うんだよ。」 | |
「へえー。『るり』という名前がつくと,とってもきれいですてきですね。」 | |
「ふむ,それはどういうことかな。」 | |
「だって,チョウのルリタテハ,カミキリムシのルリボシカミキリとかあるよ。」 | |
「そうね。それから,鳥のオオルリ,お花ではヤマルリソウもあるわ。」 | |
「そのとおりだね。ところで,ジガバチのお話はしたよね。おぼえているかな。」 | |
「イモムシをつかまえるハチですね。」 | |
「地面に穴(あな)をほるハチですね。」 | |
「そのとおり,でもね,名前のよくにているルリジガバチは,穴をほらないで,竹筒(たけづつ)に巣(す)を作るんだ。」 | |
「このハチも竹筒に巣を作るのですね。」 | |
「そうなんだよ。上の写真をよく見てごらん。」 | |
「クモの足のようなものがたくさん見えますね。」 | |
「そうだね。少し楕円形(だえんけい)のようなものは,何だか分かるかな。」 | |
「ひょっとして,さなぎですか。」 | |
「そのとおりだね。春になれば,このさなぎからハチが生まれるんだ。」 | |
「丸いしきりはどろでできているみたいだけど,ちょっと白っぽいですね。」 | |
「よく気がついたね。えらいぞ! 花ちゃん。」 | |
「そう言えば,どろの色ではないけど,どうしてなのかなあ。」 | |
「あのね,このルリジガバチというのはね,巣の入り口やしきりなどのふたに,鳥の糞(ふん)の白い部分をつけるという,ちょっと変わった巣を作るんだ。」 | |
「へえー。竹筒バチはおもしろい仲間(なかま)がいるんですね。」 | |
「でもね,まだまだ他にもいろいろな竹筒バチがいるんだよ。」 | |
「え! まだいるんですか。どんなハチですか。」 | |
「上の写真を見てごらん。」 | |
「あ! キリギリスの仲間のツユムシだ。そのとなりにはさなぎもあるぞ。」 | |
「これはね,コクロアナバチというハチなんだ。」 | |
「アナバチの仲間ですね。」 | |
「そうだね。竹筒バチには,この他にも,ハナバチの仲間もいるし,コケを間につめたりするハチなど,いろいろいるんだよ。」 | |
「へえー。竹筒バチって,知れば知るほどおもしろいですね。」 | |
「モンタ博士もいろいろと調べてみたくてね,竹筒バチ実験(じっけん)セットを作ったのさ。みんなも作ってみるかい。」 | |
「作りたい! 作りたい!」 | |
「どうやって作るの? モンタ博士,教えてください。」 | |
「それでは,そのうち,『竹筒バチゲットトラップ』のお話をしてあげよう。」 |