NO.260

ハチのひみつの世界 10 「ルリジガバチ」

「うわあー,きれいなハチですね。」
「これはね,ルリジガバチと言うんだよ。」
「へえー。『るり』という名前がつくと,とってもきれいですてきですね。」
「ふむ,それはどういうことかな。」
「だって,チョウのルリタテハ,カミキリムシのルリボシカミキリとかあるよ。」
「そうね。それから,鳥のオオルリ,お花ではヤマルリソウもあるわ。」
「そのとおりだね。ところで,ジガバチのお話はしたよね。おぼえているかな。」
「イモムシをつかまえるハチですね。」
「地面に穴(あな)をほるハチですね。」
「そのとおり,でもね,名前のよくにているルリジガバチは,穴をほらないで,竹筒(たけづつ)に巣(す)を作るんだ。」
「このハチも竹筒に巣を作るのですね。」
「そうなんだよ。上の写真をよく見てごらん。」
「クモの足のようなものがたくさん見えますね。」
「そうだね。少し楕円形(だえんけい)のようなものは,何だか分かるかな。」
「ひょっとして,さなぎですか。」
「そのとおりだね。春になれば,このさなぎからハチが生まれるんだ。」
「丸いしきりはどろでできているみたいだけど,ちょっと白っぽいですね。」
「よく気がついたね。えらいぞ! 花ちゃん。」
「そう言えば,どろの色ではないけど,どうしてなのかなあ。」
「あのね,このルリジガバチというのはね,巣の入り口やしきりなどのふたに,鳥の糞(ふん)の白い部分をつけるという,ちょっと変わった巣を作るんだ。」
「へえー。竹筒バチはおもしろい仲間(なかま)がいるんですね。」
「でもね,まだまだ他にもいろいろな竹筒バチがいるんだよ。」
「え! まだいるんですか。どんなハチですか。」
「上の写真を見てごらん。」
「あ! キリギリスの仲間のツユムシだ。そのとなりにはさなぎもあるぞ。」
「これはね,コクロアナバチというハチなんだ。」
「アナバチの仲間ですね。」
「そうだね。竹筒バチには,この他にも,ハナバチの仲間もいるし,コケを間につめたりするハチなど,いろいろいるんだよ。」
「へえー。竹筒バチって,知れば知るほどおもしろいですね。」
「モンタ博士もいろいろと調べてみたくてね,竹筒バチ実験(じっけん)セットを作ったのさ。みんなも作ってみるかい。」
「作りたい! 作りたい!」
「どうやって作るの? モンタ博士,教えてください。」
「それでは,そのうち,『竹筒バチゲットトラップ』のお話をしてあげよう。」

 


戻る    【てくてく自然散歩シリーズ】 トップへ戻る
copyrights