花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ


 ドクダミのつぶやき
やあ,二人とも元気かな。このふくろの中にいいものが入っているよ。なーんだ。あててごらん。」
うえー,すげえにおいだ。」
うーん,どこかでこのにおいをかいだことがあるわ。あっ,分かった。もしかして,ドクダミ?」
ピンポーン。そのとおり。さすがは,花ちゃん。植物博士だね。ところで,このドクダミの花びらは何枚かな?」

ドクダミ
そんなの数えればいいじゃん。1,2,3,4の4枚でーす。かんたんじゃん。」
私もそう思うけど,ちがうのかな。あっ!そうだ。虫メガネを使ってくわしく見よう。あれ! 4枚の花の上にまたこまかい花みたいのがあるわ。」
よく気がついたね。ドクダミの花はとっても変わっていてね。4枚の花びらのように見えるのは,本当は花びらでなくて,総苞(そうほう)というものなんだ。むずかしくなってごめん。本当の花はね,イネの穂(ほ)のようにつき出ているところさ。たくさんの花が集まっているのが分かるかな。」
黄色く見えるところね。おしべみたいのが3つと,まん中のはめしべだわ。」
そのとおりだね。ドクダミというのは,花びらもがくもないのさ。花としては,ずいぶんと変わったやつなのさ。」
二人ともむずかしいややこしい話ばかりしないでおくれよ。ところで,ドクダミで思い出したけどさ,ぼくのおばあちゃんがドクダミの葉っぱをとっては,お茶にしてのんでいたよ。」
あのくさい葉っぱをお茶にして飲むの。チョーまずそうじゃない。」
ところがそうじゃないんだ。ひかげでよくかんそうさせると,においもなくなるし,このごろは,ドクダミ茶っていうのも売られているらしいよ。」
ドクダミは,むかしから十薬(じゅうやく)といわれていて,10この薬くらいのききめがあるそうだよ。昔の人は,葉っぱを火であぶっておできやキズをなおしたそうだよ。」
なるほど,昔の人はすごいね。道ばたにある草で病気をなおしちゃうんだから。はじめにドクダミの葉をつけてキズをなおした人はえらい人だな。」
ほんとうだね。そもそも植物の研究というのはね,草や木をどうやって薬にするかというところから始まったんだよ。」
だから,この前も言ったけど,薬という漢字は,草かんむりに楽(らく)と書くんだね。」
ドクダミさんのつぶやき・・・・・・
 どうも私には,いやな草というイメージがあるみたいで私は困っています。鼻をつくような悪臭,それに生えているところが,これまたあまり気に入られないみたいね。陰気な墓場,日の当たらぬ湿地,しめっぽい路地裏とか。おまけに私の脇をヘビでも横切るような感じでもするのかしらね。
 でも,私はそんなネクラではないんだけどな。雨上がりの緑の草地に純白で清楚にも見えると言ってくれる人もいるんだから。それに,すっきりと浮かび上がった十字形だってステキでしょう。じっと立ち止まって見てちょうだい。ハート形の葉っぱだって裏にはちょっと赤みがあって,けっこうおしゃれなんですからね。それから,わたしは双子葉類の仲間だけど,普通は双子葉類は,おしべの数が4つか5つだけど,ドクダミは単子葉類のようにおしべが3つ,めしべの先も3つに分かれているのが変わっているところよ。それから私の秘密はまだあるの。なんと,私は花粉に関係なく,種子ができるのよ。セイヨウタンポポと同じで単為生殖(おしべの花粉がめしべの柱頭に受粉しなくても実ができる)と植物学的にはいうそうよ。どう! 私だって結構奥が深いでしょう。


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