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黄色く見えるところね。おしべみたいのが3つと,まん中のはめしべだわ。」 |
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そのとおりだね。ドクダミというのは,花びらもがくもないのさ。花としては,ずいぶんと変わったやつなのさ。」 |
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二人ともむずかしいややこしい話ばかりしないでおくれよ。ところで,ドクダミで思い出したけどさ,ぼくのおばあちゃんがドクダミの葉っぱをとっては,お茶にしてのんでいたよ。」 |
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あのくさい葉っぱをお茶にして飲むの。チョーまずそうじゃない。」 |
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ところがそうじゃないんだ。ひかげでよくかんそうさせると,においもなくなるし,このごろは,ドクダミ茶っていうのも売られているらしいよ。」 |
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ドクダミは,むかしから十薬(じゅうやく)といわれていて,10この薬くらいのききめがあるそうだよ。昔の人は,葉っぱを火であぶっておできやキズをなおしたそうだよ。」 |
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なるほど,昔の人はすごいね。道ばたにある草で病気をなおしちゃうんだから。はじめにドクダミの葉をつけてキズをなおした人はえらい人だな。」 |
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ほんとうだね。そもそも植物の研究というのはね,草や木をどうやって薬にするかというところから始まったんだよ。」 |
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だから,この前も言ったけど,薬という漢字は,草かんむりに楽(らく)と書くんだね。」 |
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