NO.257

ハチのひみつの世界7 「クロアナバチ」

「あ! この絵はバッタですね。」
「これは、バッタではなくて、キリギリスだよ。」
「え! ちがうんだ。なーるほど。」
「コオロギともちがいがあるんだぜ。」
「そのとおりだね。どうちがうのか分かるかな。」
「おいら知ってるよ。バッタの仲間(なかま)は昼間に動くものが多くて草食で、しょっかくも短いんだ。ところが、キリギリスやコオロギの仲間は、夜行性で肉食・雑食(ざっしょく)のものもいて、しょっかくは長いんだ。それに、羽をこすり合わせて鳴く虫も多いね。」
「ふーん。なるほど、よく分かりました。」
「それでは、今日は、キリギリスの仲間を狩(か)るハチのお話をしよう。」
「モンタ博士。下の絵がそのハチですか。」
「そうだよ。クロアナバチと言うんだ。えものは、キリギリスの仲間のツユムシやクサキリなんだ。しょっかくをくわえて運ぶんだけど、小さいえもののときには空を飛(と)んで巣(す)の近くまで運ぶのさ。」
「ジガバチやベッコウバチのように、えものに麻酔(ますい)をかけるの。」
「そうだよ。でもね、ちょっとちがうところもあるんだよ。」
「え! どんなところがちがうのかな。」
「それはね、巣の作り方なんだ。」
「どうちがうの。」
「下の巣を見てごらん。これがね、クロアナバチの巣なんだ。」
「たくさん巣があるんですね。」
「1回ごとに巣づくりの場所を変(か)える、ジガバチやベッコウバチとはちがうのね。」
「ジガバチやベッコウバチは一戸建(だ)てのおうちだけど、クロアナバチはマンションみたいなんだね。」
「なーるほど、おもしろいたとえだね。では、上のクロアナバチの巣を見てごらん。何か気がつくことはないかな。」
「AとBは同じみたいですね。」
「そうだね、どちらもマユになっているね。ほかに気がつくことはないかな。」
「CとEも同じみたいだ。でも、ツユムシの形はのこっているよ。小さいたまごみたいなものもあるようだ。」
「Dは、幼虫(ようちゅう)みたいなのがいるね。」
「きっとクロアナバチの幼虫なのさ。」
「そうだね。えものをつかまえてEやCみたいにたまごを産みつけるんだ。そして、その後、Dみたいにたまごがかえり、ツユムシをむしゃむしゃと食べて、幼虫が大きくなるんだよ。」
「そして、AやBみたいにまゆになるんですね。」
「そして、春になると、マユからハチになるんですね。」
※巣の絵では、よく分かりませんが、巣室につづく縦穴から横穴への通路をふさいで、一つの巣室を完成させます。

巣が完成するまでに

 ある人がキンモウアナバチというアナバチで何年間も観察したところ、巣が完成するまでには、2〜3週間ほどかかるということが分かったそうです。また、とても興味深い実験で、アナバチが穴を掘るのにどれだけの土を掘り出したかという実験観察もしたそうです。すると、なんと、ある巣では1868グラムも掘ったそうです。あの小さな2センチほどの虫のどこにそんなパワーがあるのでしょうか、とても不思議です。また、その人は、アナバチが1回の土運びでどれだけの量の土が運べるか、アナバチが何回往復したかを調べたそうです。その結果、アナバチは1回の土運びで0.4グラムほど運ぶということが分かり、計算すると、な、な、なんと4670回も往復したことになるようです。


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