NO.243

アオバハゴロモ・・・綿毛のついた幼虫,この虫なあに?

「ねえねえ,オー君。夏休みもあと半分になってしまいましたね。元気で夏休みを楽しんでますか。」
「もちろんさ。夏休みのプールもほとんど毎日参加(さんか)したんだ。それで,平泳ぎの泳ぎ方もしっかりと教えてもらったし,宿題だってバッチリさ。」
「それはすばらしいわね。ところで,モンタ博士はどんな夏休みなんでしょう。」
「そうそう,何か今年はいそがしそうだよ。」
「モンタ博士! 夏休み,どうですか。」
「二人とも元気でなによりだね。モンタ博士はね,この夏休みに植物の分布調査(ぶんぷちょうさ)というのをやっているんだ。それで,大いそがしなんだよ。」
「え! 何ですか? その植物分布調査というのは・・・・・・。」
「八王子市を100のブロックに分けて,そこに見られる植物を全部記録しているんだよ。」
「それで,どこを調べているんですか。」
「十数人でやっている調査でね。モンタ博士は恩方(おんがた)のあちこちを調べているんだ。それで,あちこちの林道を歩き回っているよ。」
「でも,モンタ博士。今年はとっても暑いでしょ。だいじょうぶなんですか。」
「おうちにいて,クーラーにあたっているよりも,ずっとずっとすずしいし,思いきりあせをかくと気持ちいいよ。あ! ところで,二人に見せたいものがあるんだ。この前,写真をとってきたから見せてあげよう。」
「何か,めずらしい植物ですか。」
「何か,めずらしい虫ですか。」
「この虫はね,ある林道を歩いている時に見つけたんだ。はじめに白いタンポポの綿毛(わたげ)のようなものが,ピョンピョンと飛んでいたんだ。何だろうかと思ってよく見たら,きれいな綿の毛を持った虫だったんだ。」
「なーるほど。よく見ると足がこっちがわに3つあるよ。ということは向こうにもあるだろうから,6つということだ。つまり,何かの虫ですね。」
「きれいな毛のようですね。キラキラと光って見えますね。」
「とてもたくさんいてね,モンタ博士が足をふみ入れると,次から次へとピョンピョンと飛んだんだ。」
「ひょっとして・・・・・・,あの虫の仲間(なかま)かな・・・・・・?」
「そう,そう,あの仲間だね。」
「え! 何の虫?」
「これによくにた虫で,アオバハゴロモという虫がいてね,羽は黄緑色で,その縁が少し赤い色でとってもきれいな虫なんだ。」
「アオバハゴロモの綿毛というのは,ちょっとちがって,もう少しソフトアイスクリームみたいな感じだったかな。」
「そうだね。それで,今いろいろと調べてみたんだけど・・・・・・。」
「それで,名前が分かったんですか。」
「ふーむ。合っているかどうか分からないけど,この幼虫(ようちゅう)は,ベッコウハゴロモというハゴロモの仲間じゃないかと思うんだ。」
「ちがうかもしれませんね。でも,何の仲間が分かることが大切なんですよね。モンタ博士!」
「そのとおりだね。つまり,セミやカメムシの仲間だということだね。もし,名前がはっきりと分かった人は,モンタ博士までご一報(いっぽう)ください。」
その数日後,またある林道を歩いている時のことでした・・・・・・。
「あれあれ? あれは,この前の・・・・・・,○○ハゴロモの仲間だ。またまたよーく観察(かんさつ)してみよう。」
「同じ幼虫ですね,モンタ博士。」
「わたし,はじめて見ました。本当に綿毛がついたような虫ですね。」
「さあ,みんな,これだけの幼虫がいるんだから,どこかに成虫(せいちゅう)がいるかもしれないよ。みんなでよーくさがしてみよう。」
「あ! いたいた。こいつだ。」
「そうね。これが成虫ね。」
「やっと見つけたね。何という名前なんだろう。二人で調べてごらん。」
「えーと。ハゴロモはカメムシの仲間だろう・・・・・・。あ! こいつだ。まちがいない。スケバハゴロモというんだ。」
「なるほど,羽がすけているわ!」

 


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