NO.238

かさこ地蔵のかさ?

「あれあれ? おもしろい形をしたものがあるぞ。なんだろう。」
「ほんとうだ。なんだろう。植物にはちがいないみたいよ。」
「そうだ。こいつは、コンペイトウ草ということにしよう。」
「そうね。いい名前ね。とげとげもあるし、ぴったしの名前だわ。あれあれ! この草は茎(くき)が三角形をしているわ。」
「ほほー、それはすばらしい発見だね。」
「へえー、そうなんだ。どれどれ、さわってみるか。なるほど、三角だ。」
「そうだね。ほんとうにさわってみるとよく分かるよね。自分の体を実験(じっけん)道具にして、いろいろな自然のすがたを見ることが大切だね。」
「ところで、モンタ博士。この植物は何という名前なんですか。」
「これはね、『オニスゲ』というものなんだ。形がおもしろいから、みんなに見せてあげようと思って持ってきたんだよ。」
「モンタ博士は、いつもいろいろなサプライズなものを見せてくれるね。おいら、とってもうれしいです。ところで、オニスゲの『スゲ』って、どこかで聞いたことがあるなあ。」
「そうね・・・・・・。わたしもどこかで聞いたことがあるわ。でも、思い出せない。」
「ヒントはね・・・・・・、あたま・・・・・・かぶる・・・・・・だよ。」
「分かった。あたまにかぶる『カサ』だ。」
 「分かった。『スゲのカサ』ですね。スゲという植物の葉っぱを何枚(まい)も重ね合わせて作るカサね。『かさこ地蔵(じぞう)』のかさだわ。」
「そのとおりだね。今ではスゲのかさを作っているという人はあまりいないそうだけど、このカサにするスゲを『カサスゲ』というんだ。」
「写真のカサスゲとオニスゲとはずいぶんとちがうわ。」
「そうだね。オニスゲは、実のところがばかでかいね。」  
「それで、オニスゲというのかもしれないわね。」
「そうかもしれないね。」

スゲという植物

 花のよさというとその色合いや形、香りなどがあげられる。ところが、これらスゲの仲間の花の何と地味なことか。色も黄緑だったりしてほとんど目に飛び込んでこない植物。ところが、以前は♪夏も近づく八十八夜…スゲのかさ♪などと笠や蓑の材料として重宝され市民権を得ていたようであるが、今はお土産屋さんにちょこっと並ぶ程度。どちらかというと、水田の雑草として忌み嫌われ、目につくと引き抜かれる運命にある植物群。観察のために、いくら採集しても誰も文句も言わない。そんな植物に目がいくようになってしまったモンタ博士の植物病もだいぶ末期的であるようだ。  


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