NO.233

顔の名前がつく植物、アサガオ、ヒルガオ…

「うわー、いろいろあるな。みんなアサガオみたいですね。」
「よーく見てね。1番はふつうのアサガオ。これは1年生が育てたものよ。2番は学校にさいているリュウキュウアサガオ。3番は学校のHP(ホームページ)にものっていたけど、マルバアサガオ。副校長先生のおうちの近くにさいていたものね。そして、4番はヒルガオよ。」
「なーるほど。4番だけが、ヒルガオ。あとは全部アサガオだ。」
「花のさく時間で、ほかにもユウガオ、ヨルガオというのもあって、あちこちで育てたり栽培(さいばい)しているのよ。」
「ユウガオって、どこかで聞いたことがあるような気がするね。」
「ユウガオというのは、かんぴょうのもと。のり巻(まき)に入っている細長いものよ。」
「へえー、そうなんだ。なーるほど。それにしても、いろいろな顔がつくんだね。アサガオは、おいらも1年生の時に育てたことがあるなあ。アサガオはみんながよく知っているよね。」
「でもね、オー君。もともと日本にあったのは、ヒルガオなのよ。ずうっとずうっと昔からあった植物なのよ。」
「そうなんだ。ヒルガオは『万葉集』(まんようしゅう)という日本でもっとも古い歌集にも登場するんだよ。『高円(たかまど)の野辺(のべ)の容花(かおばな)面影(おもかげ)に見えつつ妹(いも)は忘(わす)れかねつも。』」
「ヒルガオという名前はどこにも出てきませんね。」
「容花というのがヒルガオのことなのさ。『容』とはかたち・すがたという意味さ。つまり、顔かたちという意味の花なんだ。」
「なーるほど。万葉時代の人は、きっとヒルガオの桃色(ももいろ)の花がお気に入りだったんですね。」
「ヒルガオが昔からあった花なら、アサガオは?」
「アサガオはね、遣唐使(けんとうし−唐〈とう−今の中国〉の進んだ政治のしくみや学問・文化などを学ぶために送られた使者)が持ち帰ったと言われているんだ。」
「ふーん、そうなんだ。ところで、アサガオ、ユウガオ、ヨルガオはどれも栽培(さいばい)植物でしょ。でも、ヒルガオって、あちこちでよく見かけるから、雑草(ざっそう)なのかな。」
「そうだね、雑草とよばれるね。雑草というのは、畑の作物などの成長をじゃましてしまうものなんだ。ひっこぬいてもすぐにのびてきてしまう、こまった植物と言われているんだ。つまり、雑草だからとてもたくましいんだ。」
「どんなところが、たくましいんですか。もう少しくわしく教えてください。」
「まず、その前にアサガオは、一年草といって、花のあとに種ができて冬をこすんだ。でも、ヒルガオは、多年草といって、地上の部分は全部かれてしまうけど、死なずに冬の間も生きつづけるんだ。そして、春には芽を出してふたたび成長するんだ。」

ヒルガオのたくましさ

 トラクターという農業機械で土を掘り起こした時に、ヒルガオの根(根茎という)はずたずたにひきさき切断されて、ヒルガオも「一巻の終わり」と思いきや・・・・・・。とんでもない。ヒルガオにとっては、切断された根から再生して、恐るべきことに数をふやしてしまうのだ。まるで不死身の化け物が手足を切られても体を再生してしまうのと同じ。ある学者が、ちぎれた根の一つの芽を継続観察した結果、2年後には、55000個の芽を持ったという報告があるから驚きだ。  


O?y[W??    【てくてく自然散歩シリーズ】 トップへ戻る
copyrights