NO.229

木の冬芽のふしぎ発見 その3

「モンタ博士、この前の冬芽(ふゆめ)について、つづきの質問ですが、みんな、皮やサックなどをつけているのかな。何もつけないではだかのまま、つまり、葉っぱがむきだしになっている冬芽ってないの。」
「いい質問だ。よく見てごらん。何もかぶっていないムラサキシキブという木の冬芽は葉っぱのすじが見えるだろう。そのすじは葉脈(ようみゃく)といって葉っぱの血管(けっかん)みたいなものさ。よく見ると、すじの近くには、あったかそうな毛がいっぱいだろう。」
「なーるほど。それなら、きっとあったかだね。あれ、あそこにとげだらけの冬芽があるよ。何だろう。」
「ほんとだ。チクチクしていていたそうですね。」
「よく見つけたね。これは、タラノキさ。」
「え! タダノキ?」
「ちがう、ちがう。タラノキよ。食べられるのよ。それはそれはおいしいんだから。」
「春になるとね、芽ぶいてね、てんぷらにするとおいしんだよ。山でとれて食べられるものを山菜(さんさい)というけど、こいつはうまいね。ほんとだよ。」 
「えっ! 食べられるの。また五感を使って観察(かんさつ)できるぞ。これは楽しみだ。春になったら、取りに行こうよ。」
「もちろんだよ。あちこちにあるよ。春になると、フキノトウ、タラノキ、コゴミ・・・・・・。いろいろあるんだ。」
「うわあー、うれしいな。そんで、山菜をじょうずにたくさんとるための 『こつ』ってあるの。」
「あるよ、あるよ、かんたんだよ。どこに何があるかを、しっかりとおぼえちゃえばいいのさ。たとえば、コゴミなら、町会の会館うらのところとか、薬師堂(やくしどう)の近くとか、・・・・・・。おっといけない。あまりしゃべらないほうがいいね。」
「あのー、お二人さん。冬芽の話からずいぶんと脱線(だっせん)したようなのですが・・・・・・。」
「ごめん、ごめん。それじゃ、お話を元にもどしてと・・・・・・。この冬芽をさわってごらんよ。」
「この冬芽は、何枚(まい)も皮をかぶっていて、さらにその上に、な、な、なんと、冬芽のまわりがベタベタしていますよ。」
「これは、なんという木ですか。」
「これはトチノキだ。大きな葉っぱになるんだよ。まわりがベトベトしているだろう。冬は寒さと同時にかんそうするだろ。植物は水がなければ生きていけないけど、トチノキは水分がにげないようにネバネババリアーがあるということさ。」
「こうやって見てみると、冬芽の形というのはいろいろあるんですね。どれも、みんな、寒さをのりこえるくふうをしているんですね。」
「木だって、木なりに、苦労しているんだね。おいら、感心しちゃった。」
「そうさ、そのとおり。自然の世界はほんとうにうまくできているね。これからも寒いなんて言っていないで、元気に外に飛び出していろいろ発見しよう。」

 


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