NO.223

春よ来い来い、梅の花

「このお花は、ウメですね。」
「そうだよ。モンタ博士はね、ウメの花が大好(す)きなんだ。」
「そうなんですか。でも、どうしてなんですか。」
「まあ、なんというかなあ。ウメのよさは、その花のさく季節(きせつ)だね。」
「花のさく季節? どういうことですか。」
「そうだね。気温が上がらず、つめたい風がふいていても、ウメの花がさきだすと、もうすぐ春なんだ、という気分にさせてくれるだろう。」
「春が来るというのは、なんだか、わくわくドキドキしますね。」
「それに、心がなごむ感じで、希望(きぼう)がわいてくるような気もしますね。」
「『梅一輪(うめいちりん)一輪ほどのあたたかさ』(服部嵐雪−はっとりらんせつ:作)という俳句(はいく)もあってね、ウメの花が一輪また一輪とさくにつれて、気候(きこう)も少しずつあたたかさをますという意味なんだ。」
「ウメの花は、おいらだって知っているよ。学校に来るとちゅうにもさいているし、あちこちにあるもんね。」
「そうだね。でもね、ウメというのは、もともと昔から日本にあった植物ではないんだよ。」
「えー! 日本のものじゃないの。」
「そうだよ。今から1400年くらい前に、中国から伝わったものなのさ。」
「へえー、そうなんですか。」
「それに、今では『花』と言えば、サクラのことで、日本の国花(中国の国花はウメ)でもあるけど、そのころは、サクラよりも、ウメのほうが人気があったそうなんだ。」
「へえー、そうなんですか。でも、どうして、そんなことが分かるんですか。」
「そのころのいろいろな人が作った和歌集(5・7・5・7・7)で『万葉集』(まんようしゅう)というものがあるんだけど、その中に出てくる植物では、2番目に多かったそうなんだ。」
「万葉集? はじめて聞くなあ。それで、ウメの花はいくつくらい出てくるの。」
「ウメはハギについで多くて119首もあるけど、サクラは45首だったそうなんだよ。」
「ふーん、そうなんだ。それにしても、ウメのお花って、けっこういいかおりがするよね。」
「そうだね。あることわざに、『梅は蕾(つぼみ)より香(か)あり』とあるんだ。才能(さいのう)のある人や大成(たいせい)する人は、おさないころから、それがあらわれるということで、つぼみの時からよいかおりをただよわせるウメにたとえたのさ。」

ウメと梅干

 ウメの果実は酸味が強くて生食に適さず、全て加工して利用する。シソの葉とともに塩漬けにし、あるいは塩漬けにしたウメをシソの葉に包んだ梅干しは米飯とよく和合し、殺菌作用もあり、アルカリ性食品としても有名で、一般家庭でも常備の食品となっている。なお、ウメをシソとともに漬けて赤く染めるのは日本だけである。


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