NO.209

時の鐘・・・昔の時の呼び方

「あれあれ? この写真は何だ?」
「どこかに社会科見学に行ったみたいだね。」
「そうらしいですね。みんなで何かを見ているようですね。」
「これはね,八王子市指定の有形文化財(ぶんかざい)の『時の鐘(かね)』だよ。」
「ずいぶんと古そうな鐘ですね。」
「どのくらい昔の鐘なのかしら……?」
「この鐘は,今から300年くらい前につくられたものなんだよ。」
「ひえー! 300年! すごく昔ですね。」
「そうだよ。そして,長い間,八王子の町の人々に時を教えてくれたんだよ。」
「そうか。昔は時計なんてなかっただろうしね。」
「それで,鐘の音で時刻(じこく)を知らせたのね。」
「そうだよ。ゴーン。ゴーン。と決められた数だけ鐘をついたそうなんだ。」
「決められた数だけって言うけど,どのくらいついたの。」
「2時間おきにたたいたんだ。9つから4つまで,いろいろな時間についたんだ。くわしくは下の表を見てね。」
「なるほど。それじゃ,午前6時は『明け六つ(あけむつ)』と言って,6回の鐘をついたというわけですね。」
「それからね,先生に教えてもらったけど,『おやつ』というのはね,午後2時さ。」
「え! それって,どういうこと?」
「ふつう,おやつと言ったら,3時ですよね。」
「そうだよ,そうだよ。歌にもあるだろう。『♪カステラ1番,電話は2番,3時のおやつは○○○♪』と言うもんな。」
「おやつはね,『8つ(やつ)』というのがもともとの意味なんだって。」
「それで,表を見ても分かるように,8つは午後2時だろう。だから,昔は,午後2時におやつを食べていたというわけさ。」
「なーるほど。そういうことか。それから,12支(し)というのは,年や月,方位(ほうい),時刻などいろいろなことで使われていたんだね。」
「そうよ。てくてく自然散歩のNo.103には,絵がのっていて分かりやすいわ。」
「そうだ。もう一度,見てみよう。」

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