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「花ちゃん。この前のお話は、ちょいとむずかしかったね。」 |
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「そうね。でも、いろいろなことがお勉強できて、とてもうれしかったわ。」 |
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「さすがは花ちゃん。えらいことを言うね。ところでさ、上の写真は何だ。」 |
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「さあ……? 何でしょうね。」 |
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「あ! むこうからモンタ博士が来るよ。聞いてみようよ……。モンタ博士!」 |
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「はーい。よい子のオー君、花ちゃん元気かな。どうしたの、どうしたの。」 |
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「モンタ博士、上の写真はいったい何ですか。」 |
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「あ! これは、モンタ博士がとった写真だよ。モンタ博士のデジカメはね、とってもいいカメラでね、接写撮影(せっしゃさつえい)といって、とても近くで写真をとることができるんだ。1cmまで写したいものに近づけるんだぞ。すごいだろう。」 |
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「あのー。それって、自慢(じまん)しているんですか。奥(おく)さんにおねだりして買ってもらったといううわさですよ。」 |
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「まあまあ、そういうわけだけどね……。そうそう、この写真は何かというお話だったね。よく見ると、緑色をしているだろう。それに白いすじがあるだろう。」 |
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「緑色ということは、何かの葉っぱということですか。」 |
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「ピンポーン。そのとおり。これはね、ヒノキという木の葉っぱなんだ。」 |
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「思い出したわ。ヒノキというのは、スギと同じように針葉樹(しんようじゅ)で、おうちを建てたり、柱(はしら)に使ったり、とても大切な木ですね。それから、漢字で『桧』と書いて、木と木を会わせて『火』を出すので、火の木(ヒノキ)ともいうんですね。」 |
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「よく覚えていたね。ヒノキの葉っぱのうらに白いすじがあるだろう。よく見ると『Y』(ワイ)の字に見えるね。これが特徴(とくちょう)なんだ。」 |
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「ふーん。葉っぱのうらか……。ふだんあまり見ないな。」 |
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「そうだろう。ところがね、葉っぱのうらって、植物を観察するとてもいいポイントなんだよね。」 |
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「はい。分かりました。これからは、植物をただ見るだけでなく、葉っぱをひっくり返して見るようにします。ところで、この白いすじは何ですか。」 |
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「なんだろう。まったく分からないなー。」 |
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「これは、ろうのようなもので火を近づけると、あっという間にとけてしまうよ。」 |
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「へえー。そうなんだ。おもしろそうだな。」 |
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「でも、子どもだけで火遊びはいけないから、おうちの人とやってごらん。それから、この白いものは、ろうのようなものといったけど、正しくは、テルペン系という物質(ぶっしつ)をふくんでいるんだ。そして、これは、木が病害虫(びょうがいちゅう)やバクテリアなどをふせぐためのもので、人間には、とても心地(ここち)よくて、森林浴(しんりんよく)のもとでもあるんだよ。」 |