NO.190

クワゴはカイコのなかまなんだ

「モンタ博士! ニュースです。大ニュースです。」
「どうしたの? どうしたの?」
「今,ぼくたち3年生は理科の学習で,カイコを飼(か)っているんです。」
「カイコというのは,まゆから絹糸(きぬいと)をとるために,飼育(しいく)されているガの仲間(なかま)なんです。」
「そうだよね。それは知ってるよ。それがどうしてニュースなの。」
「そのカイコの原種(げんしゅ)のクワゴをぼくたちが見つけたんです。」
「クワゴを見つけた? ほんと! すばらしい。ブラボー! はくしゅパチパチパチ。」
「原種ってなあに?」
「原種っていうのは,品種改良(ひんしゅかいりょう−人間が手をくわえてよりよいものにすること)される前の,もともとの野生の植物や動物という意味なんだ。」
「つまり,カイコというのは,5000年くらい前から,人間が品種改良しながら作った虫ということなのさ。」
「そのカイコの原種がクワゴという虫なんだ。」
「へえー。3年生のみんなはよく知っているね。感心(かんしん)。感心。」
「そのクワゴをぼくたち3年生が見つけたんです。」
「それが上の写真だね。うれしいね。モンタ博士もはじめて見るよ。」
「え! モンタ博士もはじめて見るんですか。」
「そうだよ。だから,とてもうれしいのさ。3年生のみなさん。どうもありがとうね。モンタ博士はね,クワゴのまゆは見たことがあるけど,幼虫(ようちゅう)ははじめてなんだ。」
「え! クワゴもまゆを作るの。どんなまゆなの。」
「ほーら。見てごらん(下の写真)。これがクワゴのまゆなんだ。カイコのまゆとどうちがうだろうね。」
「カイコのまゆとはちがって,ちょっと色がついているよ。」
「それから,カイコより少し小さいみたいだよ。」
「カイコの仲間なのにぜんぜんちがうね。」
「それじゃ,どんなところが同じだろうね。」
「白い糸がいっぱいあるところかな。」
「形は少しにているよ。それから,クワゴもクワの葉を食べるよね。」
「そのとおりだね。形や大きさなどをしっかり見ようね。そして,同じこととちがうことをきちんと観察(かんさつ)してみることが大切なんだ。比較(ひかく)してみるというのは,とても科学的(かがくてき)な見方だね。それから,五感(ぎかん)を使って観察することも大切だね。みんなの住んでいる町には,いろいろな花や虫がいるだろう。これからも興味関心(きょうみかんしん)をもって,たくさんの動植物の観察をしようね。」

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