NO.178

鳥と寒さ対策(たいさく)

「へんなくちばしのカモ? ……いや、このカモはくちばしがないだ。」
「くちばしのないカモなんているはずないでしょ。」
「うーん。そうか……、そうだよな。もっとよく見てみようよ。」
「くちばしがないのではなくて、くちばしをかくしているみたいね。」
「そうか、このカモは、くちばしを背中(せなか)の羽毛(うもう)の中につっこんでいるんだ。」
「まるで、毛玉(羽毛のかたまり)のようね。でも、どうしてそんなことをするのかな。」
「モンタ博士に聞いてみようよ。」
「モンタ博士。カモが背中にくちばしを入れているけど、それはどうしてなの。」
「ほほー。それは、いいものを見ることができてよかったね。どうしてか、答えを聞いてしまう前に、ちょっと考えてみようよ。今の季節は冬だね。冬は寒いだろう。そんなとき、みんなはどうするの?」
「手ぶくろをしたり、マフラーをまいたりするよ。」
「そうすれば、はだが空気にふれないから寒くないわ。」
「そうだろう。鳥だって同じなのさ。」
「そうか、くちばしを羽毛の中に入れれば寒くないんだ。」
「そうね、寒い時は少しでも体温がうばわれないようにしているのね。」
「フクロウの仲間などは、足の先まで羽毛におおわれているものもいるそうなんだ。寒さをふせぐためにいろいろな方法があるんだね。ところで、ツルなどが片足(かたあし)で立っているのを見たことがあるかな。」
「うん、そういうの見たことあるよ。この前もアオサギが片足で立っていたよ。」
「それも寒さと何か関係があるのかしら。」
「そうか、分かった。足を2本出しているよりも、1本の方が熱(ねつ)をうばわれないということなんだ。だから、1本で立っているんだ。」
「なーるほど。足を2本いっしょにかくすことはできないものね。そうか、1本ずつ交代でおなかの羽毛であたためているというわけなのですね。」
「そのとおりだね。鳥のいろいろな生活の様子を見ていくと、みんなそれなりの理由(りゆう)とわけがあるんだよ。」

さらに驚きの足の秘密……

 さらに鳥の足には驚きの秘密がある。それは、足の付け根部分の血管の仕組みである。血管には動脈と静脈があるが、動脈のまわりを静脈が網の目のようにとりまいているということである。これを鳥の足の網目状血管という。足の先に送られる熱い動脈血は、その熱を網状の静脈血に移して冷たくなって足の先に送られる。足の先から冷えて戻った静脈血は、動脈血に温められ、熱い血液となって、もとに戻るのである。ここでみごとな熱交換がなされる仕組みができているのである。熱い血液のために、氷に穴が開いたり、冷たい血液で全身が冷えきってしまうことはないのである。


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