NO.171

ハチの巣(す)はどうして六角形なの?

「わあ! いろいろなかたちのハチの巣(す)があるわ!」
「これはみんなアシナガバチの巣だよ。いろいろあるんだね。この前も、モンタ博士が『1年生にハチの巣をもらった』とよろこんでいたよ。ところで、ハチは種類(しゅるい)によって形がちがうんだね。」
「でも、幼虫(ようちゅう)のいた部屋はみんな六角形だよ。」
「そうだね。一つ一つの部屋を横から見ると、水晶(すいしょう)のような錐体(すいたい)と角柱(かくちゅう)の組み合わせなんだけど……、それはおいといて。なぜハチの巣は六角形なのかな?」
「うーん。ハチだから八角形! ……というなら分かるけど……。」
「ダジャレを言っている場合じゃないでしょ。どうしてきれいな形にならべて作れるのかしら。」
「ハチは口から出す液(えき)をもとに、木のかすなどを使って巣のかべを作るんだ。その時、しょっかくをものさしがわりに使うんだ。」
「体が道具なんですね。でも、なぜ六角形なの? 同じ形をどんどん作るなら、真四角の方がかんたんそうだけどな……。」
「そうだね。ここから算数の話になるけれど、同じ図形ですきまなくならべられるのは、正三角形・正四角形(正方形)・正六角形の三つしかない。同じ量(りょう)の材料(ざいりょう)でかべを作るとき、この中で一番広い部屋を作れるのが正六角形なんだ。」
「へえー、よくできているのね。せまい部屋じゃ育ちにくいものね。」
「でも、ハチは算数ができるわけじゃないですよね?」
「そう。ハチの体のどこかに『自然界(しぜんかい)の形のきまり』がしまってあって、巣作りに生かしているんだろうね。カメのこうらにも六角形があるけれど、調べてみると『自然界の形のきまり』がだんだん見えてくるんだ。みんなもさがしてみようよ。」
長さ12cmの工作用紙で作った図形。正六角形は正三角形のおよそ1.5倍、正方形より10数%広い部屋になる。

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