NO.167

イチョウは古生代から生きていた

「あ! この黄色い葉っぱは、イチョウですね。」

「イチョウと言えば、国語の時間にお勉強した与謝野晶子(よさのあきこ)の

    「金色の 小さき鳥の かたちして

          いちょう散るなり 夕日の丘に

という和歌がありましたね。」

「そうだね。名作だね。与謝野晶子は社会科の教科書にも出てくるね。」
「モンタ博士、イチョウというのは、サクラと同じように、みんなによく知られていて、とてもなじみ深い植物ですね。でも、どうしてかな。」
「それはたぶん、秋も深まって、すみ切った青空に、木々の中でもひときわあざやかな黄色に色づくからだろうね。」
「モンタ博士、イチョウというのは昔から日本にあった木なんですか。」
「日本にはなくてね、もともとは中国原産(げんさん)のものなんだよ。」
「ふーん、そうなんですか。」
「だから、日本の野山にはなくて、植えられたものさ。自然にはないんだね。それでも、日本の秋にはなくてはならない存在(そんざい)となっているね。」
「イチョウの葉っぱって、サクラやモミジなど、ふつうの葉っぱとちがうね。」
「二人ともいいところに気がついたね。イチョウという木はね、とても古い木でね。恐竜(きょうりゅう)の生きていたころから、ずうっと生き続けている木なんだよ。」
「古いっていうけど、それは、大昔からあったということですね。」
「そのとおりだよ。地球が誕生(たんじょう)してから、初めての植物が見られるようになったのが、6〜7億(おく)年前。イチョウは古生代(こせいだい)で、約3億年前くらいからあるんだよ。」
「へえー? 植物にも新しいものと、古いものがあるなんて知らなかったわ。」
「マツやスギなども古い植物なんだ。おぼえる必要(ひつよう)はないけど、むずかしい言葉で裸子植物(らししょくぶつ―種がむきだしになっている植物)と言ってね、中生代(ちゅうせいだい)のジュラ紀あたりには、地球上は裸子植物ばっかりだったんだ。裸子植物というのは、赤や黄色などあまりきれいな花はさかないのさ。」
「それじゃ、きれいなお花がさくような植物はいつごろ出てくるの。」
「中生代の白亜紀(はくあき)ごろ、つまり1億年前くらいから裸子植物だけでなくて、被子植物(ひししょくぶつ―種は果実の中にある植物)も出てきたのさ。」
「虫キチのおいらには、あまり関係ないお話だな。」
「そんなことないんだ。被子植物が出てきてから、きれいな花びらやみつや花粉(かふん)を持った植物が出てきたことは、昆虫(こんちゅう)がばくはつてきに種類(しゅるい)をふやすことに関係(かんけい)するんだよ。つまりね、植物も虫もいっしょに進化してきているというわけさ。」

イチョウのつぶやき

 私たちイチョウは植物系統発生学的に言うと、とても古い植物でーす。葉脈が二股状に分枝していくのは、古い植物の特徴でもあるの。シダ植物の葉脈も二股状ですよ。私たちはオスの木とメスの木があって、メスにはあの強烈なにおいのするギンナンをならせます。ギンナンを手で触るとかぶれるけど、それは、ギンナンのなかにあるギンコール酸とビロボールを含んでいるからなのよ。でも、味は最高でしょ。


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