NO.165

良薬は口ににがし (リンドウのお話)

「おーい! おーい! 花ちゃん・オー君。おどろいたね。びっくりしたね。」
「どうしたんですか。モンタ博士。何におどろいたんですか。」
「どうしたんですか。モンタ博士。何にびっくりしたんですか。」
「少し落ち着いてください。何をそんなに興奮(こうふん)しているんですか。」
「これが、興奮しないでいられるかい。な、な、なんと! 学校の近くのあちこちに、リンドウの花がさいていたんだよ。」
「リンドウって、お花? ……どういうお花?」
「え! リンドウがあったんですか。どこですか。どこですか。」
「あのね、学校うらの谷戸(やと)のところだよ。」
「うらの谷戸って、イモリがたくさんいたり、モリアオガエル、それにコオイムシなどがいた所ですか。」
「そうそう! そこだよ。たくさんの竹があったけど、少しきれいにしただろう。竹やぶだったけど、光が入るようになって、生えてきたのかもしれないね。」
「ふーん。そんなにめずらしいのか……。」
「そのうらの谷戸だけじゃなくて、うら山のあちこちにさいていたんだよ。」
「リンドウっていうお花の名前は知っているけど、わたし、見たことないわ。」
「そうだろう。リンドウはね、明るい草原や山道などに見られる植物だけど、このごろは、とても少なくなってきているんだよ。とても貴重(きちょう)なものなんだ。」
「ふーん、そうなんだ。そういう植物があることは、とてもいいことですね。」
「そうだろう。リンドウはね、秋おそくなってからさき始めて、霜(しも)のおりる前までさきつづけるのさ。リンドウがさくころになると、山々の紅葉(こうよう)も美しく見られるようになるね。」
「モンタ博士! リンドウもセンブリと同じように、お薬になるんですよね。」
「そうだよ。根っこは、とてもにがくて、竜(りゅう)の肝(きも)のようなので、竜胆(りんどう)というんだよ。」

リンドウのつぶやき

 花は晴天の時だけ開くといわれていますが、くもりなどでも花は見られるのよ。花は、茎の先に上向きに咲き、つりがね形の青紫色で、清らかなたたずまいを感じさせてくれる植物。かつては、草地や水田の近くなど農作業で定期的に草刈りなどがなされる場所ではたくさん自生していたようね。近年は、そのように手入れされる場所もなくなり、見られる機会も少なくなり、リンドウの花を探すことも難しくなってきたみたい。センブリもそうですが、リンドウ属の根は、竜胆(りゅうたん…リンドウとも読む)、ゲンチアナ(リンドウの学名)として漢方薬としても有名で、とても苦く、苦味健胃作用があるの。たいへんな苦さで、まるで竜の肝(きも)のようだということから、「竜胆」(りんどう)と名づけられたと言われているのよ。


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