NO.153

かわいそうな名前のハキダメギク

「あれあれ? 花ちゃん。何しているの。」
「今、植物観察(かんさつ)をしているのよ。」
「そいつは、おもしろそうだね。おいらにも見せておくれよ。」
「はい! ルーペよ。もちろん、使い方は知っているわね。」
「もちろんだよ。モンタ博士に何度も教わったもんね。まず、ルーペを目につけて、それから見たいものに近づけたり遠ざけたりすればいいんだよね。」
「そうです。ルーペは『科学の目』ですからね。いろいろな発見ができるわよ。それにしてもなかなかきれいなお花でしょ。」
「そうだね。あちこちで見かける花だけど、星形をしていて、とてもすてきなきれいな花だ。ところで、このお花の名前は何て言うんだい。」
「このお花はね、『ハキダメギク』というのよ。」
「『ハキダメギク』…? へんな名前だな。『はきだめ』って、おそうじして、はいてためた所ということだろう。へんな名前だ。おかしいよ。」
「わたしもへんな名前だと思うわ。でも、しょうがないでしょ。」
「本当に気の毒(どく)な名前だね。そもそも、このお花は帰化(きか)植物といって、外国から来たものでね、日本で最初に発見されたのが、東京の世田谷(せたがや)という所のごみすて場だったんだ。その発見場所にちなんでこの名前がついてしまったというわけなんだよ」
「だれが、そんな名前をつけちゃったんですか。」
「このハキダメギクという名前をつけたのは、日本の植物学の父と言われる牧野富太郎(まきのとみたろう)という人だよ。世界的に有名で、図書室に伝記(でんき)もある人だよ。でもね、もうちょっといい名前にすればよかったのにね。」

ハキダメギクの不平と不満

 発見場所にちなんで名前をつけることはよくあることらしいけど、私の場合は、何ともかわいそうでしょう。外国からの荷物が入ってくる港で見つかったので、「ミナトマツヨイグサ」とか「ミナトアカザ」なんていうのもあるらしいの。また、同じごみ捨て場だけど、夢の島という所があって、そこで発見された植物に「ユメノシマガヤツリ」なんて、ステキな名前もあるじゃない。何だかとっても不公平よね。同じ東京の品川で発見された「シナガワハギ」というのもあるくらいだから、せめて、「セタガヤギク」とかにならなかったのかしら?


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