NO.147

ささないアシナガバチ

「キャー! ハチ! 助けて!」
「うわあー。本当だ。ハチだ。モンタ博士! あやうし!」
「えっへん。モンタ博士はね、ハチとも仲良くできるんだ。それで、ハチにさされないんだぞ。」
「でも、おしりを曲げて、今にさそうとしていますよ。」
「そうだよ、モンタ博士! あぶないよ。すぐにハチをポイしたほうがいいよ。」
「二人とも心配してくれて、ありがとうね。でもね、このハチはぜったいにぜったいにささないんだよ。」
「本当ですか。でも、どうしてですか。」
「それはね、このハチはね、針(はり)のないオスのハチだからだよ。」
「え! ハチって、さすのはメスだけなんですか。」
「そうなんだよ。そもそもハチの針というのは、産卵管(さんらんかん)が変化(へんか)したもので、えものをとるためではなく、自分たちの巣(す)を守るための武器(ぶき)なんだ。」
「ふーん。それで、巣に近づいたりすると、さされるんですね。」
「そうだよ。このハチはね、正しくはキボシアシナガバチという種類(しゅるい)だけど、これからの季節、スズメバチなどにも十分に気をつけてくださいね。」
「ところで、オスのハチって言ったけど、メスとどうちがうの。」
「まず、オスのハチは、秋になってから生まれ、顔が少し黄色くて、しょっかくの先がくるっと丸まってるんだよ。もちろん、おしりに針はないよ。」
「それじゃ、どうして、メスのようにさすマネをするんですか。」
「ひょっとして、オスのハチは、メスのハチのマネをすることで、敵(てき)をおどかしているんだ。」
「ピンポーン。さすがオー君。そのとおりなんだ。それに、このキボシアシナガバチの巣のまゆは、写真のようにあざやかな黄色なんだ。その色も、敵をびっくりさせて、近づかせないためなのかもしれないね。」
「ぼく、こんな黄色いハチの巣、見たことあるよ。」
「さされるからこわいハチにも、いろんな敵がいてたいへんなのね。」

アシナガバチの自己紹介(じこしょうかい)

 私の家族の一年を紹介(しょうかい)します。冬の間、冬眠(とうみん)していた新女王蜂は春に目が覚めます。春の女王蜂は一人で巣をつくったり、卵を産んだり、子育てをしたりしてたいへんなんです。初夏になって働き蜂が生まれてくると、すべての仕事は働き蜂が引き受け、女王蜂は産卵をするだけになります。夏休みの終わりには家族は大きくなり、オス蜂が生まれ、来年のための新女王蜂も羽化(うか)してきます。秋が深まると、来年のために交尾(こうび)した新女王蜂だけは、越冬(えっとう)の場所を探して冬眠につき、そのほかの家族はみんな死んでしまいます。


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