NO.145

食べておいしいスベリヒユ

「なんだ? このお花。」
「オー君、知らないの。これはね、『スベリヒユ』というお花よ。」
「スベリヒユ……? 聞いたことないな。それで、この草がどうかしたの。」
「どうかじゃないわよ。今、この草知らないなんて、おっくれてるー。」
「え! それって、どういうことなんだよー。」
「この草は、食べられるのよ。夏の間、あちこちの畑の雑草(ざっそう)ときらわれているけど、本当は、そうじゃないらしいの。」
「だから、どういうことなんだよー。」
「この前ね、あるテレビ番組で紹介(しょうかい)されたのよ。」
「え、そんな番組があるの。おいら知らないよー。」
「あれ? オー君、知らないの。モンタ博士はいつも見てるよ。」
「北海道から沖縄(おきなわ)まで、全国の都道府県(とどうふけん)のご自慢(じまん)を紹介する番組よ。」
「そうだよ。それで、山形県の人はこのスベリヒユをよく食べるそうなんだよね。」
「そうそう。スベリヒユという畑の雑草が八百屋やスーパーでも売っているんだって。」
「へえー。スベリヒユっていう名前で売られているの。」
「それがね、『ひょう』という名前で売られているそうなの。どうしてひょうよばれるかは分からないけど……。今のだじゃれが分かったのは、だれじゃ……。何てね……。」
「まあまあ、今日の花ちゃんはずいぶんと乗りに乗っているね。ところで、モンタ博士もその『ひょう』つまりスベリヒユを食べてみたけど、けっこううまかったね。食べるとぬめりがあってね。それがまたおいしいんだね。」
「そうですね。おひたしでおかかとしょうゆをかけると、とってもおいしいんですよね。」
「それで、今でも、さがすとあるんですか。」
「どこにでもあるわよ。畑や道ばたにもあるわよ。オー君のおうちの近くにもあちこちあると思うわ。」
「そうだね。このスベリヒユというのは、もともとは、マツバボタンの仲間(なかま)なんだよ。」
「マツバボタンっていうのはね、ペンの先などでオシベにさわると、オシベがさわった方向に曲がる園芸(えんげい)植物よ。花だんなどにもよくあるでしょ。」
「マツバボタンっていうのは、あの葉っぱのあついような太いようなやつか。」
「マツバボタンは食べられるかどうか分からないから、食べないでね。それでは、みんなで今からスベリヒユをとりに行って、おひたしを作ろうか。」

CAMシステムの植物

 スベリヒユは、乾燥地帯に多いサボテンなどと同じように厚い葉を持ち、CAMと呼ばれる特別な光合成システムを持っています。光合成は光により水と二酸化炭素から糖を作り、そのために水を吸い上げて葉にある気孔という穴から二酸化炭素を取り入れます。普通、昼間に光合成をするので、昼に気孔を開けて、夜に閉じるのですが、乾燥地帯では昼間に気孔が開くと、そこから水が蒸発してしまいます。そこで登場するのがCAMシステム。このシステムでは気孔の開閉が普通の植物と逆であり、水分の蒸発が少ないという利点があり、砂漠などの乾燥地帯の植物の生きる知恵でもあり、このスベリヒユもまたしかりなり。


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