NO.140

三角形の茎(くき)のカヤツリグサで遊ぼう

「あれ、これは何だ? 緑色をしているから植物みたいだけど……。」
「そうね、花びらもないし、おしべもめしべもはっきりしないね。」
「これはね、カヤツリグサというのさ。」
「カヤツリ……。」
「グサ……。あまり聞かない名前ですね。」
「今の季節(きせつ)、あちこちの空き地や野原にいっぱいあるよ。あまりきれいな花ではないからね。でもね、よーく見てごらん。何かおもしろいことに気づいてほしいんだけど……、分かるかな?」
「よーく見てみると……。あ! 茎(くき)が三角形しているよ。」
「本当だ。○(丸)や□(四角)はよく見るけど、三角形の茎はめずらしいわ。」
「このカヤツリグサの仲間って、みんな三角形をしているんですか。」
「そのとおり。みんな三角形なんだ。これが、特徴(とくちょう)さ。」
「カヤツリグサって、どういう意味なんですか。」
「そうだね。それじゃ、今からやってみるよ。花ちゃん・オー君、両手を出して手伝ってもらおうかな。」
「二人で、三角形の茎の両方を持って、それぞれ別(べつ)の面をひきさいてごらん。魔法(まほう)のようなことがおこるよ。」
「あれ! 1本の茎だったものが、切れなくて、広がって四角形になったよ。」
「この四角形が『かや』をつったようなので、カヤツリグサというんだよ。でも、みんなは『かや』なんて、もちろん知らないよね。見たこともないよね。」
「わたし、知っています。『となりのトトロ』で見たわ。」
「おいらもちゃんとおぼえているよ。おうちの中にテントをはるみたいなものでしょ。」
「へー、おどろいたな。知っているんだ。網戸(あみど)ができる前は、どこも蚊帳(かや)をつっていたんだ。昔は、子どもどうしで、カヤツリグサの引っぱりっこをして遊んだそうなんだ。一人では遊べないので、ナカヨシグサともいうのさ。それにしても、ただの三角形の茎から、四角形のかやつりにする遊びを考えた昔の子どもたちの創造力(そうぞうりょく)は、本当にすばらしいね。」
「花ちゃん。これは、本当におもしろい植物遊びだね。」
「本当ね。本当におどろきですね。何度も何度もやってみましょう。」

三角形の強さのひみつ

普通、植物の茎の断面は丸いものが多く、どの方向にも曲がることができ、しなるようにして、外部からの力を弱めている。しかし、三角形の茎は、しなることができないが、強さはあるようだ。三角形というのは、3つの辺を使ってできる最もシンプルな図形で、四角形や六角形はすべて三角形の組み合わせによってできる図形でもある。同じ面積であれば、外部からの力に対して最も強く頑丈な図形が三角形だ。鉄橋や鉄塔も三角形を基本にした構造になっているのもそのためである。ただ、三角形にも欠点はあるようで、丸い茎ならば、中心からの距離が同じであり、一定の圧力によって、すみずみまで水を浸透させることができる。しかし、三角形では、中心からの距離がまちまちで、水が行き届きにくい現象があるかもしれない。そこで、カヤツリグサの仲間は水辺が好きなのかなと考えるしだいである。


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