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「モンタ博士、この虫、なかなかおもしろいんですよ。」 |
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「ほほー。これは、アオドウガネですね。青といっても、昔は、緑のことを青とも言っていたんだよね。ところで、アオドウガネがどうしたの。」 |
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「この虫、ただのコガネムシの仲間(なかま)かと思ったんですが、花ちゃんが、『虫をうらがえしにすると、起き上がり方がちょうおもしろい』って言うんですよ。」 |
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「それで、それで……。引っくり返してやってみようよ。」 |
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「それでは、やってみますね……。」 |
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「あれー! こりゃおもしろい。モンタ博士ははじめて見たよ。」 |
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「あれー! こりゃおもしろい。フッタ博士もはじめて見たよ。」 |
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「もう一回やってみますね。ほら、引っくり返してっと……。」 |
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「ありゃー! なんだこりゃ? おもしろい! もう一回やってみよう。」 |
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「おいおい! 何度もやらせないでくれ! おれだって、つかれるよ。はらへるよ。ところで、おれの『起き上がり方のひみつ』をどこのどいつが教えたんだ。」 |
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「おいらではありません。花ちゃんが『この虫って、けっこうおもしろい起き上がり方するよ』って教えてくれたんだ。それで、今、『アオドウガネ起き上がり方遊び』にはまってしまったのさ。」 |
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「え! 花ちゃんが発見した! 気づいた! それはすごい! すごいことだ。」 |
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「何がそんなにすごいんだよ。」 |
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「この虫の名前は、『アオドウガネ』とは、図鑑を見ればすぐに分かるだろう。ところが、この虫の起き上がり方のひみつというのは、よく観察していたり、よく手にとって遊んだりしているから、分かったんだね。そこに、おどろきやわくわくドキドキがあるんだよ。そのことがすばらしいのさ。これからも、たくさんの不思議(ふしぎ)やおもしろいことを見つけて、いろいろ知らせてほしいね。」 |
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