NO.135

気持ち悪いなんて言わないで……クロコウガイビル

「あのー、モンタ博士に見てもらおうと思って持ってきたんですが……。」
「どれどれ、見せてごらん。うわあー! こりゃ、コウガイビルだね。」
「コウガイビルって、何ですか。」
「何だかヒルみたいで、気持ち悪いですね。」
「ミミズみたいに、動くから、よけい気持ち悪いのね。」
「でもさ、♪おけらだって、みみずだって、あめんぼだって♪……という歌があるだろう。どれも生き物だから、みんな生きているんだからね。よーく見てみようよ……。でも、やっぱり気持ち悪いか……。」
「やっぱり、ミミズやヒルの仲間(なかま)なんですか。」
「くわしく調べたらね、ミミズやヒルは環形(かんけい)動物というけど、このコウガイビルは扁形(へんけい)動物というそうだよ。」
「なんですか。そのへんけい動物って?」
「あまり聞かない言葉だし、小学生にはちょいとむずかしいかな。まあ、動物の1グループをさす名前さ。扁形とは、扁平(へんぺい)な体で、口もおしりのあなの区別もないものなんだ。プラナリアやサナダムシ(寄生虫・きせいちゅう)は同じ扁形動物なんだよ。あまり高等な生き物とは言えないものだね。」
「どうしてコウガイビルって、言うんですか。」
「体に良くないから、公害(こうがい)ビルというのですか。」
「ブブー。残念(ざんねん)でした。ちがいます。」
「都会にいないんだよ!それで、郊外(こうがい)ビルというのさ。」
「ブブー。残念でした。これまた、まちがい。どちらもちがうね。コウガイビルのコウガイとは、漢字で、笄(こうがい)と書いてね、昔の女の人の髪(かみ)の毛をとかしたり、かざりに使ったりしたものさ。みんなは見たことがないと思うけど、その形ににているのさ。」
「ふーん、なるほど。それで、色が黒いので、クロコウガイビルというんですね。」
「ところで、ヒルと同じように、血をすったりするんですか。」
「このクロコウガイビルなどは、血をすったりしないから、心配しなくていいよ。だからこのへんでてくてくしてもだいじょうぶさ。」

コウガイビルのつぶやき

おれ様を見ると、みんな嫌な顔をするんだよな。まるでエイリアンみたいに宇宙生物と思っているやつもいるから……、もうまいっちゃうよな。おれはプラナリアと同じ仲間で、体を二つにちょん切られても、それぞれ生きていけるんだから、すごいだろう。こんなことができる生き物って、そんなにはいないはずだよ。つまようじでおれを刺してくれたって、平気だぜ。本当だぜ。どんなにうまく逃げるか、一度やってみてくれよ。おもしろいぜ。その姿を見りゃ気持ち悪いなんて言わなくなるかもな。なかには、おれ様のことを愛嬌のある生き物だと言ってる人間様だっているっていうことだぜ。


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