NO.131

ツユクサとムラサキツユクサ

「あーあ、つまんない。雨でお外に行けないわ。」
「そんなことないよ。かさをさして行けばいいじゃんか。それに長ぐつだってあるだろう。どこにだって行けるぜ。雨の日のお散歩(さんぽ)って、けっこう楽しいものなんだよ。」
「でもね、この雨じゃ……。
「花ちゃん。カタツムリやカエルみたいに、雨がふってよろこんでいる生き物だっているよ。雨の音をしずかに聞くことだって楽しいよ。それから、雨があがってから、葉っぱがきれいになるだろう。それを見るのもいいぜ。それに、水たまりだって、いろいろおもしろそうだぜ。」
「そうだね。雨の日の楽しみ方を考えるといいね。ほら、あそこに青いきれいなお花がさいているよ。何だろうね。」
「あ! あれは、ツユクサだわ。梅雨(つゆ)の季節(きせつ)にぴったりのお花ですね。」
「梅雨の季節だから、ツユクサというのかな。」
「うーん。どうだったかな。」
「このツユクサというのはね、梅雨の季節だからではないんだよ。つゆはつゆでも露(つゆ)のほうさ。」
「露(つゆ)?」
「露ってね、夜、空気がひえて、空中の水分がつぶとなって葉っぱなどにつくものだよ。アサガオに露がおりるとかいうよ。このツユクサは、朝の露を集めてさくね。それに、昼にはしぼんでしまうんだ。」
「ふーん、そうなんだ。梅雨(つゆ)とは関係(かんけい)ないけど、まあ、きれいなお花だから、いいことにしよう。ところでさ、花ちゃん。やっぱり梅雨だって、けっこう楽しいだろう。」
「そうですね。梅雨の季節でも、生き生きとしている生き物がいっぱいですね。ツユクサは、よーく見ると、花の形がミッキーマウスににてますね。」
「なーるほど、ミッキーマウスか。さすが花ちゃん、よく見ているね。あれ! あそこに、またお花があるぞ。なんだろう。」
「オー君。よく気がついたわね。これは、ムラサキツユクサというのよ。」

ムラサキツユクサのつぶやき

私は、外国生まれなのよ。あちこちの道ばたに雑草のようにあるけど、花はなかなかきれいでしょう。3枚の花びらが特徴的でしょう。花の色は青っぽいものから、白、紫色、ピンク系のものもあるみたいよ。花が一番きれいなのは、朝なのよ。午後にはもうしぼんでしまうのね。こんなところが、ふつうのツユクサとよくにているでしょう。


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