NO.129

ヘビとカエルの戦(たたか)いは……

「キャーッ! こわーい!」
「どうしたの、花ちゃん? なんだあー。ヘビがカエルにかみついているだけじゃんか。それが、どうかしたの?」
「ねえ、オー君。こわくないの。」
「何言っているんだよ。ぼくたち人間の知らないところで、生き物どうしの食うか食われるかとの戦いは、いつもあちこちであるんだよ。そうですよね、モンタ博士。」
「そうだね。ふだんはなかなか見ることができないものだね。ところで、この絵はとってもじょうずにかいてあるけど、だれがかいたの。花ちゃんじゃないよね。それじゃ……、オー君かい。」

上川職員
「わたしでーす。この前、学校の体育館うらのシイタケを見に行った時に、用水路のような所で、ぐうぜんに見てしまったんです。」

上川職員
「カエルの体にガバッと大きな口を開けてかみついていたんです。すっごい迫力(はくりょく)でしたね。」

上川職員
「ヘビは自分よりも体の大きなものでも、自分のあごの骨(ほね)をはずすようにしてかみつくといいますが、本当なんですね。」
「それは、すごいものを見ることができてよかったね。なかなか、そんなチャンスはないからね。モンタ博士もあちこちてくてくしているけど、今までに1回しか見てないもんね。今度は、ぜひ写真をとっておいてちょうだいね。」
「わたし、カエルがかわいそうだし、ヘビなんていなくなればいいと思います。」
「でも、ヘビがいなくなったら、カエルがふえたりしないかな。」
「なるほど、では、ここで問題だ。もし絶滅(ぜつめつ)するとしたら、ヘビ? カエルかな? どっちだと思う。」
「いつもにらまれるカエルかな。」
「いつもいばっているヘビかな。」
「動物の研究で、ノーベル賞をもらったコンラート・ローレンツ博士という人がいるけどね。ヘビがふえすぎるとカエルをどんどん食べてカエルの数がへるんだ。そして、カエルの数が10分の1以下になると、もはやヘビはえさのカエルをさがせなくなる。そこで、いばっているヘビが最初(さいしょ)にだめになるそうなんだ。これが自然界(しぜんかい)のすがたなんだそうだよ。」
「ふーん、なるほど。強い方が先にだめになるということなのか。」
「そうだね。現実(げんじつ)にはヘビがへればカエルがふえて、カエルがふえればまたヘビがふえるんだけどね。」
「自然界のバランスというのはうまくできていて、両方とも絶滅しないのね。」

強い者こそ謙虚さを忘れないで!

今、私たち人類は、食う者と食われる者との立場を表す、食べ物でつながっている一つの鎖……食物連鎖……の頂点に立って、一番いばってあらゆる欲望を満足させようとしている、人口が倍々ゲームのように増えて、まるで人類が地球上を制覇したような気分になっている。しかし、自然界のエネルギーの流れから見た生態系の中で、緑の植物が生産者であるのに対して、人間が消費者の立場、寄生虫の立場にいる以上、緑……それが立体的につまっている森……を食いつくした時に最初にだめになる、最初に破滅する、最初に絶滅するのは、自然界を取り巻く生態系の図式から見れば、実は、人間の方なのであることをしっかりと認識しなければならない。


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