NO.126

オオイトトンボとそのラブストーリー

「うわあー、きれいなトンボですね。」
「♪とんぼのめがねはみずいろめがね♪って、いう歌があるだろう。この美しさはぜひとも本物を見てもらいたいね。全身が美しいブルーに見えるんだ。」
「この美しいトンボは、どこにいるんですか。」
「学校うらの谷戸(やと)に行ってごらん。田植えをするところにもいるけど、その奥(おく)の方に行くと、それはそれは、たくさんいるよ。」
「そうだよ。このオオイトトンボは、水面すれすれにとんでいるよ。それに、今は、おもしろいものが見えるよ。」
「おもしろいものって、何ですか。」
「それは、トンボの交尾(こうび)だよ。写真があるから、見せてあげよう。」
「え! トンボの交尾って、ハート形ですね。ロマンチックですね。」
「そうだね。ラブラブでハート形だね。トンボの交尾というのは、ほかの虫などとちがって、少しややこしいのさ。」
「どのようにややこしいのですか。」
「まず、オスがしっぽの先でメスをはさむんだけど、その前に、オスは精子(せいし)をおなかのつけねにうつしておくんだ。その後、オスがメスをたぐりよせてる。この時にメスはしっぽをまげて交尾の形になるので、ハートになるのさ。」
「ふーむ。なるほど。」
「ふーむ。なるほど。」

トンボのラブストーリーその後……遺伝子の旅は連綿と!

メスは一度の交尾で一生の間に産む卵を受精させるだけの精子をオスから受け取るそうである。ここで、注目すべきことであるが、この交尾は精子を受け取ることであり、受精ではないということである。交尾した時に受け取った精子は、メスの体の中にためられ、卵が産み落とされる直前に受精するのだ。そして、メスが何度も違うオスと交尾した場合、受精されるのは、最後に交尾したオスの精子であるという。昨今の研究では、後から交尾したオスは、すでにためられている前のオスの精子を出したりして、受精できないようにして、自分の精子をメスの体に入れるそうだ。このために、オスは交尾しただけでは心配のようで、メスが浮気しないように、卵を産むまで監視するそうである。そして、多くのトンボはおつながりといって、オスはしっぽの先でメスをしっかりとつかまえておくそうである。それにしてもすさまじいばかりの遺伝子存続への執念である。


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