NO.119

アゲハチョウの食べる葉の量

「ねえ、オー君。5年生の育てているアサギマダラはいつ成虫(せいちゅう)になるのかしら?」
「そうだね、楽しみだね、いつだろうね。ところでさ、おいら、疑問(ぎもん)に思ったんだけど、チョウになるまで、どのくらいの葉っぱを食べるんかな。」
「なるほど……。なかなかおもしろいところに気がついたね。みんなで考えてみようか。その前に、タマゴからふかして幼虫(ようちゅう)になるけど、その時はどのくらいの大きさだろうね。」
「赤ちゃんアゲハの幼虫は、約3mm位だったわ。」
「とっても小さいね。小さいということは、食べる量(りょう)も少ないということだね。」
「そうね。人間も同じだわ。赤ちゃんはおっぱいしか飲まないわ。」
「そうだね。いくらオー君が食いしんぼうだからといっても、赤ちゃんのころから大盛(おおもり)のラーメンは食べないよね。」
「まいっちゃうな。まあ、そりゃ、そうだけど……。」
「ところでさ、アゲハチョウというのは、第1令(だいいちれい)幼虫から第5令幼虫まであるというお話は、前にもしたよね。」
「うん。おぼえているよ。第5令幼虫になると、黒っぽくて鳥のウンチみたいだった幼虫が、あざやかな緑色になるんだよね。」
「そうだったね。では、下の表は何だか分かるかな。」
「なんですか。これは?」
「第1令から、幼虫のだいたいの大きさや、食べる葉っぱの割合(わりあい)や実際(じっさい)の量(りょう)が書かれているぞ。」
「分かりやすく考えてというのは、長方形の紙の大きさで表したんですね。」
幼虫の令 幼虫のだいたいの大きさ 食べる葉っぱの割合(%) 実際の量 分かりやすく考えて
第1令  3mm〜 5mm 0.3% 1.5cu 1p×1.5p
第2令  6mm〜10mm 0.7% 3.5cu 1p×3.5p
第3令 11mm〜17mm 3.6% 18.0cu 3p×6p
第4令 18mm〜25mm 10.2% 51.0cu 10p×5p
第5令 40mmくらい 85.2% 426.0cu 20p×21p
チョウになるまでに食べる量は… 100.0% 500.0cu 20p×25p
「上の表を見ると、いろいろなことが分かるね。」
「この数字などは、モンタ博士が自分で調べたものなのですか。」
「いやちがうんだ。これは、チョウについていろいろと研究をしている、ある昆虫(こんちゅう)学者の資料(しりょう)をもとにして作ったものだよ。」
「なーるほど。よく分かりました。つまり、アゲハチョウになるまでは20p×25pくらいの葉っぱを食べるということですね。ということは、つまり、ノートの1ページ分くらいの葉っぱを食べるということなんですね。」

アゲハチョウの成長の様子

アゲハチョウの成長の様子を上に記してありますが、生物は個体によって、その成長の様子などに個体差があります。しかし、さなぎになる前の第5令幼虫の体長は40o、体重は2gほどですから、孵化後3週間ほどで、体長は13倍、体重は2000倍になるということです。

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