NO.105

クチナシの花と実

「あれ? 何だろう、この白い花は……。」
「この花は、クチナシというお花よ。」
「今ごろ、こんなお花がさいているの?」
「ちがうわよ。このクチナシというのは、6月ごろから梅雨(つゆ)のころにさくんです。そうですよね、モンタ博士。」
「そうだよ。梅雨のころに、まっ白な花をさかすんだ。かおりがとてもよくてね。雨がふったりして、湿度(しつど)が高いと、さらによいかおりがあちこちに満(み)ちて、それはそれは、いいお花だね。夜には、スズメガの仲間(なかま)がたくさん集まって、花粉(かふん)を運んでくれるんだよ。」
「ふーん。そうなんだ。ところで、オレンジ色の花のつぼみのような、実のようなものは何だろう。」
「とてもきれいでしょ。これは、クチナシの実よ。」
「色水遊びができそうだね。」
「そうよ。すりつぶして水にとけば、絵の具のようになるのよ。むずかしい言葉で、カロチンとかいうらしいのよ。」
「クチナシの実の赤黄色いものは、いろいろなものに使われているんだけど、知っているかな。おせち料理(りょうり)がヒントだよ。」
「おせち料理……。うーん。また食べたくなっちゃったなー……。おいら、はらへってきたな。」
「オー君! まじめに考えてください。」
「栗(くり)きんとんを知っているだろう。あの黄色の色づけにはクチナシを使うんだよ。また、たくさんの和菓子やさつまいも、ラーメンのめんなどの色づけにも使うんだよ。」
「ふーん。そうなんだ。また、おなかへってきちゃうなー。ところで、どうしてクチナシというの。」
「それは、いろいろあってね。10月か11月ごろに赤黄色になるんだけど、この果実(かじつ)は、熟(じゅく)してもわれないんだ。それで、口なしになったとか言われているよ。」

クチナシのつぶやき

私は、クチナシです。あちこちのお庭に植えられていますが、もともとは、もう少し南の方のあたたかい地域に自生している木です。学名Gardenia jasminoidesのガーデニアとは「庭」、ジャスミノイデスとは「ジャスミンの香り」との意味です。果実にはカロチノイドの一種、クロシン(Crocin)が含まれていて、乾燥させた果実は古くから黄色の着色料として用いられたのよ。また、発酵させることによって青色の着色料にもなるそうよ。


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