2.植物の世界
(4)被子植物(単子葉類)のなかま
(9)わあ、楽しい! 草花あそびの世界
(648)凧作りにチャレンジ!
「モンタ博士! とってもよくあがる凧ですね。」
「そうだろう。これはね、モンタ博士のとってもかわいい孫のために作った凧なんだ。モンタ博士特製のとてもよく高くあがり、かんたんに作れる凧だよ。」
「モンタ博士特製なんですね。」
「かんたんに作れるといいますが、わたしたちでも作れるのですか。」
「もちろんだよ。かんたんにすぐできて、よくあがるんだ。花ちゃんもオー君も作ってみたいかい。」
「もちろんです。ぜひ、教えてください。」
「どんなものを用意すればよいのですか。」
「大きめのビニールぶくろ、マジック、長めの竹ひご2本、凧糸、セロテープだけだよ。今、モンタ博士が全部持っているからあげるよ。すぐに作ろうか。」
「わーい! 今日は凧作り教室ですね。」
「まず、下の写真のような形にビニールぶくろを切ってから、好きな絵を描こう。」
「はい! できました。次はどうするのですか。」
「早いね。次にビニールぶくろを裏にして、下の写真の(1)のように、たてに竹ひごをテープではるんだ。」
「はい! できました。次はどうするのですか。」
「早いね。次に、ここからが大事なところでね。(2)のように横に竹ひごをカーブさせて、テープではるんだよ。ここはちょっとむずかしいから、二人で協力してやるといいね。」
「えっ! カーブさせるのですか。」
「ダイヤ凧みたいに、たてと横の竹ひごを十の文字のように直角に交わるようにしなくていいのですか。」
「ここが『ポイントその1』でね、とても大切なところなんだよ。凧があがる力をむずかしい言葉で『揚力』と言うけど、その『揚力』と『たるみ』の関係から、どうしてもカーブにした方がいいんだ。」
「なんだかむずかしいお話ですが、ともかく今は早く作って遊びたいです。」
「そうですね。また、今度お話ししてくださいね。」
「はい! できました。次はどうするのですか。」
「早いね。次に、写真の(3)と(4)のように、真ん中の交わるところと、左右のはじをテープでとめよう。」
「はい! できました。次はどうするのですか。」
「早いね。次に、凧を裏にして、(A)と(B)を凧糸で結ぶんだ。凧に反りを作るんだよ。」
「はい! できました。次はどうするのですか。」
「早いね。最後に、凧を表にして、(C)と(D)に2つに穴を開けて、糸を 通すんだ。(C)は少し短めにした方がいいよ。そして(C)と(D)を結んで終了。」
「はい! できました。でも、モンタ博士! 糸を通すところは2つだけでいいのですか。ちょっと心配なんですが⋯⋯。」
「ここが『ポイントその2』で、とても大切なところなんだよ。凧の『バランス』というものなんだ。」
「なんだかむずかしいお話ですが、ともかく今は早く作って遊びたいです。」
「そうですね。また、今度、お話ししてくださいね。」
「それでは、みんなで凧あげに行こう。」
揚力と抗力で、凧は大空高く舞い上がる! (やや難しいお話)
重力のあるものは、自然状態では落ちてくるはずですが、どうして
凧は空に
揚がるのか。やや難しい言い方をすれば、それは、揚力と抗力の関係にあると言えます。普通、風が吹くと、
凧に上に向かう力が働きます。この物を上に持ち上げようとする力を揚力と言います。飛行機も同じ理由で、翼にこの揚力が作用しているからです。この揚力を作り出すために、プロペラやジェットで飛行機をものすごい勢いで前進させることで、翼に空気の流れを起こします。この揚力によって、
凧も飛行機も大空高くに揚がることができるのです。
では、なぜ、この揚力は発生するのでしょうか。ここに一枚の板が水平に置いてあったとします。この場合には、揚力は発生しませんが、この板を少し傾けてみるだけで、揚力は発生するのです。つまり、
凧は風を受けると上へ向かう揚力と、水平の方向へ向かう抗力のつり合いで空に舞い上がるのです。また、ものすごく強い風の場合に凧が揚がらない理由は、強風のために
凧の形が変形してしまい揚力が生まれないからです。