2.植物の世界
(8)植物の名前・分類・特性について
(646)花を長もちさせよう! (おばあちゃんの知恵)
「モンタ博士! お誕生日、おめでとうございます。」
「ぼくと花ちゃんからです。プレゼンターの花ちゃん! おわたししてね。」
「うわあー。感激だな。うれしいな。すてきなお花だね。」
「二人でおこづかいを出し合って、花屋さんで買ってきたんです。」
「うわあー。バースデーカードまであるね。これはまたまた感動で、涙が出てしまうね。『これからも長生きして、ぼくたち・わたしたち・それから、東書キッズの『てくてく散歩』を読んでいる子供たちのために、たくさんの楽しいお話、すてきなお話、おもしろいお話、アッとおどろく不思議なお話、などなどをいっぱいしてください。』だって! うわあー! 本当にありがとうございます。これからもがんばりますね。そうだ! すぐに花びんに入れようっと。あっ! ちょうどいいのがあったぞ。さあ! 用意と!」
「あっ! そうだ。10円玉を入れるといいんでしょ。」
「えっ! オー君。なぜ、そんなことを知っているの。」
「うちのおばあちゃんは、いつもそうしているよ。」
「えっ! 本当にそうするといいの。お水だけよりもいいの。」
「そうらしいよ。10円玉を入れておくと、銅が少しずつとけ出し、銅の強力な殺菌力で、水中の微生物がふえるのをふせいでくれるようだよ。それから、お酢やお酒をちょっと入れるのもいいらしいよ。さらに、切り口を少しガスレンジの火とかで焼くのも、切り花を長もちさせてくれるらしいよ。」
「うわあー。すごい。オー君もの知りね。感心しちゃう。」
「そのとおりだね。おどろいた。でも、どうしてそんなにくわしく知ってるの。」
「いつもおばあちゃんはそうしているよ。おばあちゃんの知恵だね。」
「おばあちゃんには感謝しなくちゃね。さて、それでは、花を入れるね。」
「ちょっと待って、水切りは水の中で、切り口がななめになるように切ってね。」
「水の中で切るというのは聞いたことがあるけど、ななめに切るのはなぜなの。」
「それはね、水の吸いこむ部分の面積が広くなるからなんだ。」
「なるほど、言われてみればそのとおりね。」
「それからね、切り口を少しつぶすというのも、水の吸いこみ口を広くできるからいいんだよ。」
「またまたおどろきだな。本当にくわしいね。」
「これもおばあちゃんの知恵というものかな。おばあちゃんはお花のおけいこをしている時に、となりで見ていてね、それでいろいろと覚えているんだ。」
「そうだったのか。それで、いろいろと知っているんだね。つまりね、切り花を長持ちさせる一番のコツは、水の通り道をふさぐようなじゃまものを無くすということなんだよ。」
「そうですね。でも、切り花はそのうち枯れてしまうけど、ともかく、ぼくや花ちゃんのモンタ博士への感謝の思いと愛は永遠なんです。」
「今日のオー君! かっこいい! 拍手×∞(無限大)。」
「今日は、どうもありがとう。いろいろとたくさんお勉強になったね。よかったね。花ちゃん。それにしても、今日のオー君には感心することばかりだね。」
「本当にそうですね。今日のオー君! すばらしい! 拍手×∞(無限大)。」
「今日は、お花を長もちさせるために、10円玉のお話をしたけど、まだまだ10円玉パワーのお話があるんだよ。」
「えっ! 10円玉パワー? まだあるの。」
枯れてしまうということ⋯⋯
森羅万象、時の流れとともに、様々なものが変化していくのは当然であり、無理にあがなうことはどうかと考える。種から発芽した植物は、日々成長し茎を伸ばし葉を展開。そして、花を咲かせ、実を作り、枯れていく。これは自然の流れであり、それ自体が素晴らしいと考えるべきではないか。生あるものはいつか滅ぶものである。美しい花も枯れることに大きな意味がある。人生100年時代と言われると、もっと生きたいと願うのはいいが、皆が皆、長生きできるということではない。天寿、つまり与えられた命を精一杯生きていくこと。その過程で笑ったり喜んだり苦しんだり悩んだり、泣いたり絶望したり、希望をもったり、自信をもったり、そんなことの繰り返し、そこに人生の面白さと生きていくことの価値があるのだろうと思う。