1.身近な自然の観察
(7)気象現象
(644)雷のひみつ・その3 雷が落ちた!
「これまで、カミナリについていろいろとお勉強してきたね。それでは、今からおさらいしようか。」
「まかせてください。しっかりお話を聞いていたから、バッチリです。」
「わたしも、カミナリのゴロゴロやピカピカを勉強したら、少しずつカミナリがこわくなくなりました。モンタ博士のおかげです。」
「それではね、カミナリは、どこで発生するんだっけ。」
「それは、カミナリ雲、つまり積乱雲の中です。」
「そうだったね。では、カミナリ雲の中はどうなっているんだっけ。」
「プラスの電気とマイナスの電気が、それぞれ別々の所に集まっているんです。」
「では、カミナリが落ちるというのは、どういうことだと思う。」
「落ちるということは、下だということかな。」
「雲は空の上にあるから、落ちるというのは、下、つまり地面ということですか。」
「そのとおりだね。つまり、カミナリ雲の中にある電気が、地面との間に流れた時だね。」
「カミナリが落ちる時って、どんなふうになっているんですか。」
「いい質問だね。カミナリが落ちる時は、雲も下の方にマイナスの電気がたくさんある状態なんだ。」
「その時、地面はどうなっているんですか。」
「これまた、いい質問だね。その時、地面には、プラスの電気がたくさんたまっているんだ。少しの電気ならば、カミナリが落ちることはないんだ。」
「カミナリが落ちないのは、雲と地面との間に空気があるからですね。空気は電気を通しにくいんですよね。」
「ところが、たまる電気がとても大きく多くなると、電気を通さない空気が電気を流してしまうわけですね。」
「そうなんだ。その時、地面との間に電気が流れて、カミナリが落ちるんだ。強い電気がカミナリ雲から地面に流れる時に、太い光の筋道ができる、これがイナズマなんだ。下の絵は、カミナリが落ちる仕組みを描いたものなんだ。右から左へとだんだんとイナズマが成長していく様子が分かるよ。」
カミナリはどうして金属に落ちるのか
避雷針とは、
建築物を
雷や
落雷から
保護する
仕組みの
一つです。落雷の
際には避雷針に雷を
呼び
込み、
地面へと
電流を
逃がすことで
建物などへの
被害を
防ぐためにあります。そのため、「雷を
避ける
針」という
表現になっていますが、
実際には雷を避けるのではなく、避雷針へ雷を
呼び
寄せ、被害を防ぐという
意味で「
導雷針」と
言えるかもしれません。
なお、
避雷針は、
建物の
屋上からさらに
高く
突き
出すように
設置されます。それは、高い
方が
雲に
近いので、避雷針に
雷が
落ちやすくなるからです。また、その
結果、避雷針の
周辺では
地上に雷が落ちにくくなります。避雷針は
電気を
通しやすい
金属でできています。
落雷した雷の電気は、そこから
導線を
通って、
地面に
埋めてある
銅などの
金属棒の
電極に
向けて
流れていきます。