3.動物の世界
(4)鳥のなかま
(632)鳥講座4(鳥の推力・揚力)
「あれ! モンタ博士が何か一生懸命に作っているね。」
「何を作っているのかな。また、何か実験のための道具づくりかな。」
「何だろうね。教えてもらおうよ。もしもし、モンタ博士!」
「モンタ博士! 何をされているんですか。」
「花ちゃん・オー君、こんにちは。今ね、鳥の推力と揚力のしくみが分かるための実験道具を作っているんだよ。」
「水曜と曜日? ですか。」
「ちがうよ。推力と揚力というものなんだ。ちょっとみんなにむずかしいかな。でも、とてもおもしろそうだからね。それで始めたんだ。羽根のしくみ、飛行機のつばさの研究観察実験ということかな。」
「推力? 揚力? 聞いたことがない言葉です。くわしく説明してください。」
「鳥の風切羽根は、羽根の軸を中心として、左右の羽根の幅がかなりちがうようになっているんだよ。」
「つまり、右の羽根でいうと、軸に対して、右は幅がせまくて、左は、幅が広いということですね。」
「そうだね。ちなみにこの羽根は、鳥の左の風切羽根だね。」
「えっ! そんなのが分かっちゃうんですか。」
「そうだよ。これからの説明を聞けば、それが分かるよ。さて、下の図を見てほしいんだ。」
「つまりね、上のように、鳥が羽ばたいた時に前に進む力を生み出しているんだよ。飛行機でいえばプロベラのようなものさ。これを推力というんだ。」
「なるほど、そういうことですか。」
「次も下の絵を見てごらん。」
「つまりね、上の絵のように、羽根が水平になり、上がるということなんだよ。」
「なるほど、よく分かりました。」
「もう少しくわしく言うとね、右の絵をよく見てごらん。何か気がつかないかな。」
「上の面は少し反っていてカーブしていますね。」
「でも、下面はまっすぐで反りかえっていません。」
「それでは上面と下面ではどちらが長いといえるのかな。」
「それは、反りかえっている上面の方が、下面より長さが長いということです。」
「そうなんだ。その上面は、空気の流れが早くなり空気の層がうすくなるんだ。」
「そこまでは分かりました。でも、どうして浮くのですか。」
「つまりね、空気のこい下面から上に突き上げる力が働くんだよ。これも、揚力と言うんだ。とても分かりやすい動画を撮ったから、参考に見てね。それから、『揚力の実験』とけんさくすると、いろいろな動画があるのでおもしろいよ。ぜひ、見てごらん。」
「なーるほど。半分くらい分かったかな。でも、何かすごいことが学べたような気がします。」
「今日はどうもありがとうございました。」
なぜ浮くのか? 実験2をさらに発展させた模型を作って、
その仕組みを解明してみよう!
実験2のような翼の模型を作ってみましょう。そして、さらにそれを発展させて、よりはっきりと羽根の翼が浮く実験をしてはどうでしょうか。まず、素材としては、発泡スチロールがよいと考えられます。重心点近くに穴を2つ開け(よく見ると、上に2つの穴が確認できます)、2本の細い棒を縦に通して、ストローを用いて発泡スチロールの翼が自由に上下できるようにします。そして、前方から強い風を当てると、発泡スチロールはすーっと上昇するはずです。
実はモンタ博士も上記のような仕組みで制作したのですが、翼を上昇させるためには、かなり強い風力が必要であり、スムーズに動く工夫をしないとダメだということが分かりました。いろいろと工夫したのですが、うまくいかず、実験2のようなもので勘弁してもらうことにしたのが正直なところです。実験3として、いろいろと創意工夫しチャレンジしてみてはと思います。