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花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ
1.身近みぢか自然しぜん観察かんさつ
 (4)生物せいぶつ日本人にほんじんのかかわり
2.植物しょくぶつ世界せかい
 (4)被子ひし植物(単子葉類たんしようるい)のなかま
4.自然界しぜんかいのつりあい・環境保全かんきょうほぜん地質ちしつ地形ちけい世界せかい
 (4)自然しぜんのめぐみ
(617)よしずづくりにチャレンジ!
「ねえ、はなちゃん・オーくんいまから2まい写真しゃしんせるから、なにがうつっているとおもうかな。どんなかんじかをおしえてほしいんだ。」
モンタ博士

オーくん
「はい。かりました。」

花ちゃん
「はい。よろこんで! どんな写真しゃしんでしょうか。たのしみです。」

写真1・2
オーくん
なんだろうな。ぼくにはさっぱりかりません。」

花ちゃん
わたし自信じしんがありません。ただ、イネ植物しょくぶつ、それもとてもたかいもののようながしますが、それ以上いじょうかりません。」

「まあ、しょうがないか。写真しゃしん(1)は、モンタ博士はかせのおうちのちかくのある湿地しっち(いつもみずがありしめっているところ)にえている植物しょくぶつで、ヨシというものだよ。それから、写真(2)は、おなじくモンタ博士のおうちのまえかわえている植物で、ツルヨシというものなんだ。からなくて当然とうぜんだよね。」
モンタ博士

オーくん
はならしいものもないし、ちんぷんかんぷんです。それにヨシとかツルヨシとか、いたことがありません。」

「そうだよね。みんなにはあまりえんのない植物しょくぶつだろうね。」
モンタ博士

花ちゃん
「それでは、モンタ博士はかせ、どうしてヨシとかツルヨシの写真しゃしんったのですか。」

「そのまえに、もうひとくけど、『よしず』というのはなにかるかな。」
モンタ博士

花ちゃん
残念ざんねんながら、かりません。」

オーくん
おなじく、まったくかりません。宇宙人うちゅうじん言葉ことばですか?」

「そうか、そこからはなしをしなくちゃいけないんだな。時代じだいながれだね。あっ! おもした、最近さいきん、こんなものをたことあるかな。した写真しゃしんてごらん。」
モンタ博士

写真3・4
花ちゃん
「あっ! たことあります。っています。」

オーくん
「あっ! これとおなじようなやつ、ぼくのいえにもあります。よけに使つかうものですね。」

「そうだよ。いまではシェードというものなんだ。なんかおしゃれなかんじがしていいよね。最近さいきん、とてもはやっているらしいよ。」
モンタ博士

オーくん
「そのシェードと、はじめの写真しゃしんなに関係かんけいがあるのですか。」

「そのシェードというものは、プラスチックや化学かがくせんい素材そざいなどでできているんだけど、日本にほんでは、かなりむかしから、自然しぜんえている植物しょくぶつ使つかって、そのシェードのようなものをつくっていたんだよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「あっ! かった。その自然しぜんえている天然てんねん素材そざいというのが、れい写真しゃしん植物しょくぶつなんですね。」

「そのとおりだよ。それをね、『よしず』というんだよ。」
モンタ博士

オーくん
「つまり、あつなつるために、その『よしず』をつく利用りようしてきたということなんですね。でも、どんな効果こうかがあるんだろう。」

あつなつにはエアコンや扇風機せんぷうきなどを一日中いちにちじゅう使つかうこともあるね。でもね、けん康面こうめん環境かんきょう電気代でんきだいなどをかんがえると、なるべく冷房れいぼうは使いたくないね。」
モンタ博士

オーくん
電気代でんきだい節約せつやくになるし、エネルギー資源しげん大切たいせつにしなくちゃいけないもんね。」

花ちゃん
「そうね。そのよしずというものを使つかえば、そとからえないし、UVユーブイカットにもなるわ。」

オーくん
なんなの。そのUVユーブイカットって?」

花ちゃん
太陽たいようひかりには、人間にんげんからだわる影響えいきょうをあたえる紫外線しがいせんというものがあるのね、それをふせぐことができるということですよね。モンタ博士はかせ。」

「そうだね。そのとおり。むずかしいことをっていて感心かんしんだね。すだれは、日光にっこうはさえぎるけど、風通かぜとおしはいいんだね。使つかまえみずをかけることによって、部屋へやなかはいる風を2ほどげるともわれているんだよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「すごいですね。すだれって。感心かんしんしてしまいます。」

「そうだね。すだれは、日本にほんなつ風物詩ふうぶつしでもあるんだよ。つまり、湿度しつどたか日本にほんなつ天然てんねんのすずしいかぜ気持きもちよくすごすことができる、自然しぜん素材そざいのブラインドというわけなんだね。」
モンタ博士

オーくん
「それで、そのよしずというのは、どこでっているのですか。」

「ディスカウントショップとかにあるよ。工場こうじょうつくるからそんなにたかくないよ。」
モンタ博士

オーくん
「へえー。そうなんですか。それじゃ、今度こんどなつにおうちのひといにこうかな。」

「そうだね。でもね、琵琶びわのよしず(近江おうみすだれ)というものは、300ねん以上いじょうまえから職人しょくにんさんが手作てづくりで作っているそうでね、180cmセンチメートル×180cmでは、13,200えんもするそうなんだ。」
モンタ博士

花ちゃん
「なるほど、手作てづくりでいものほどこうなのですね。かるがします。」

「そこでだ、そこでね、モンタ博士はかせかんがえたんだ。よしずというものを素人しろうとでもつくれるのではないかとね。つまり、はじめの写真しゃしんにあったヨシとツルヨシを100ぽんずつ採集さいしゅうしてきてね、実際じっさいにタコいと使つかって作ってみたんだよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「えっ! 本当ほんとうですか。」

オーくん
「ヨシとツルヨシの両方りょうほうつくったのは、なに意味いみがあるのですか。」

「ヨシはぬま湿地しっちなどにあり、とてもたかくなるんだ。ツルヨシというのは、かわえているもので、それほど高くはない。といっても3メートルすかな。それでね、ヨシとツルヨシでどっちがじょうぶなのかとおもってね、それで、つくったというわけさ。」
モンタ博士

花ちゃん
大変たいへん作業さぎょうでしたね。かなり時間じかんもかかったでしょうね。」

「そうだね。るのに1時間じかん写真しゃしんのようにするには、4~5時間はかかったかな。でも、これはモンタ博士はかせ特製とくせいのマイよしずだからね、なつになったら大切たいせつ使つかおうとおもっているんだよ。」
モンタ博士

写真6・7
ヨシの効果(よしずだけではない、河川浄化の効果もあり、さらに生態系の維持もする
 ヨシという植物は、川の水をきれいにするというのは本当である。ヨシ群落には水をきれいにする効果があり、まず、ヨシによって水の流れを弱くして水の汚れを鎮める働きがある。次にヨシの水中の茎につく様々な微生物や、ヨシ群落の土中の微生物が水の汚れを分解する働きがある。さらに、ヨシには水中の窒素やリンを養分として吸い取る働きもあるということだ。
 また、魚の住むところとしての役割があり、ヨシ群落では、多くの多様な魚が集まり産卵し、ふ化した稚魚は隠れ場や餌場えさばとして成長する。つまり、ヨシ群落は魚や貝の宝庫であるということだ。野鳥のすみかとしてヨシ群落に多く集まる。このように、ヨシ群落は水環境だけでなく、生態系を維持する上でも大きく関わりを持っている。
   てくてく自然散歩シリーズ
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