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花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ
2.植物しょくぶつ世界せかい
 (3)被子植物ひししょくぶつ双子葉類そうしようるい)のなかま
 (14)不思議ふしぎ植物しょくぶつシリーズ
(598)ヤドリギのひみつ
写真1
写真2
オーくん
「あれあれ? ()(えだ)のところに(なに)()えるね。」

花ちゃん
「そうね。これはケヤキの()だけど,(えだ)のところに(くろ)というか,緑色(みどりいろ)っぽいかたまりがありますね。(なん)なのかな。」

オーくん
「そうだ。写真(しゃしん)をとって,モンタ博士(はかせ)報告(ほうこく)しよう。」

花ちゃん
「そうしましょう。そうしましょう。」

 
ということで,モンタ博士(はかせ)写真(しゃしん)()せに()ったそうな・・・。
オーくん
「モンタ博士(はかせ),この写真(しゃしん)のかたまりは(なん)ですが・・・。」

花ちゃん
「シダ(しょく)(ぶつ)やコケなどが,()(みき)()えているのは()たことがありますが,これは,ちょっとちがうような(かん)じなんですが・・・,(なん)なのですか。」

「なるほど,(はな)ちゃんはよいところに()がついたね。シダやコケなどは()()えることがあるけど,あれは,着生(ちゃくせい)といってね,地面(じめん)()わりに生えただけなんだよ。」
モンタ博士

オーくん
「これは,その着生(ちゃくせい)というやつではないんですね。それでは,(なん)なのですか。」

結論(けつろん)から()うとね,これはヤドリギというものなんだ。寄生(やどり)()漢字(かんじ)()くけど,つまり,ある生物(せいぶつ)寄生者(きせいしゃ)・パラサイト)がある生物(()(しゅ)・ホスト)の体内(たいない)(はい)りこんで,(いっ)(ぽう)(てき)(よう)(ぶん)(うば)()ってしまうんだよ。」
モンタ博士

写真3
オーくん
(なん)だかこわくてむずかしいお(はなし)のようですね。」

花ちゃん
(なん)だかヤドリギという植物(しょくぶつ)は,(わる)()(もの)みたいな(かん)じですね。」

「そんなことないよ。寄生(きせい)共生(きょうせい)一種(いっしゅ)ということでもあるんだ。ヤドリギは,(ほか)方法(ほうほう)では()きていくことができずに,このような生き(かた)(えら)んだ(しょく)(ぶつ)ということだね。」
モンタ博士

オーくん
「モンタ博士(はかせ),でも,ヤドリギって,緑色(みどりいろ)をしていましたよ。緑色をしていれば,太陽(たいよう)(ひかり)でデンプンなどの養分(ようぶん)自分(じぶん)(つく)せるのではないですか。」

花ちゃん
「それをむずかしい言葉(ことば)で,光合成(こうごうせい)というのですね。オー(くん)うとおり,ヤドリギも(ほか)生物(せいぶつ)から,養分(ようぶん)(うば)わなくてもいいんじゃないですか。」

「そのとおり,ヤドリギは,自分(じぶん)でも養分(ようぶん)(つく)()せるので,半寄生(はんきせい)植物(しょくぶつ)というんだよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「そういうことですか。納得(なっとく)しました。」

オーくん
「でも,(なん)だかおかしいよ。(しょく)(ぶつ)(たね)発芽(はつが)してから成長(せいちょう)するんでしょ。では,どうやって,ヤドリギはあんな(たか)()(うえ)にあるの。だれかが,(たね)をまいたのかな。ヤドリギの(はじ)めの(いっ)()はどうなっているのかな。」

「それはね,ヤドリギの種子(しゅし)()ると(こた)えが()かるよ。つまり,(たね)(いろ)(あか)っぽく,(とり)(この)(いろ)なので,よく()べられのさ。この()は,とても(ねば)()があってね,鳥が排泄(はいせつ)するときに,()(みき)などに種が()()きやすいんだ。それで,発芽(はつが)するというわけなんだよ。」
モンタ博士

写真4
オーくん
「そうか,ヤドリギの()()べた(とり)が,()(えだ)(うえ)にウンチオシッコといっしょに(たね)()とすというわけですね。」

花ちゃん
「へえー,すごいんですね。それにしても,()(もの)(どう)()があれこれと,それぞれの特徴(とくちょう)発揮(はっき)して,関係(かんけい)しながら,生きているんですね。偶然(ぐうぜん)にあるのではないのですね。とってもおどろくと同時(どうじ)感心(かんしん)もしました。」

「それからね,(とり)にくわしい(ひと)()いたら,ヒヨドリやキレンジャク,ヒレンジャクなどがジューシーな()(よろこ)んで()べるそうだよ。たぶん,それらの鳥がヤドリギの(たね)(はこ)んだ犯人(はんにん)なのかもしれないね。」
モンタ博士

ヤドリギのつぶやき
 ヤドリギの()(した)出会(であ)ったらキスなんてね・・・。 ずいぶんと()()げられたものでやんすね。欧米(おうべい)のクリスマスの風習(ふうしゅう)でも()られるロマンチックな植物(しょくぶつ)(ひと)はいうのでやんすが・・・。(じつ)をいうと(すじ)(がね)()りのパラサイト(ぞく)でやんすよ。生命力(せいめいりょく)あふれる世渡(よわた)上手(じょうず)なケチなヤツでやんす。
   てくてく自然散歩シリーズ
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