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花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ
1.身近みぢか自然しぜん観察かんさつ
 (4)生物せいぶつ日本人にほんじんのかかわり
2.植物しょくぶつ世界せかい
 (2)くきのつくりとはたらき
 (3)被子植物ひししょくぶつ双子葉類そうしようるい)のなかま
(595)クワの樹皮じゅひ
写真1
オーくん
「あれあれ? これはどこかの(かわ)のようですね。」

花ちゃん
(とお)くには,(たか)(やま)()えますね。どこなんでしょう。」

「ここはね,モンタ博士(はかせ)のおうちの(まえ)(かわ)だよ。」
モンタ博士

オーくん
「へえー。モンタ博士(はかせ)は,こういうところに()んでいるのですね。」

「そうだよ。かっこよく()うと,リバーサイド。または,(かわ)っぷちともいうね。」
モンタ博士

オーくん
(なん)という(かわ)なんですか。」

川口(かわぐち)(がわ)といいます。(うえ)から()んでも(した)から読んでも(おな)じだね。」
モンタ博士

花ちゃん
「あまり()かない(かわ)()(まえ)ですが・・・。」

多摩(たま)(がわ)という有名(ゆうめい)(がわ)支流(しりゅう)の,浅川(あさかわ)という川の支流の川口(かわぐち)(がわ)というのさ。ハヤという(さかな)や,川エビもたくさんいるし,カワセミというきれいな(とり)()ることができるんだ。さらに,(とお)くには(おお)(だけ)(さん)()(たけ)(さん)も見られる最高(さいこう)(ところ)だよ。」
モンタ博士

オーくん
写真(しゃしん)には,()もあるようですが。」

写真2
「クワの()だよ。クワというのは,カイコのエサになるものだよ。八王子(はちおうじ)(くわ)(みやこ)といわれていてね,絹織物(きぬおりもの)有名(ゆうめい)(ところ)なんだよ。」
モンタ博士

オーくん
「カイコで(おも)()しましたが,カイコの原種(げんしゅ)の『クワゴ』については,以前(いぜん)モンタ博士(はかせ)の『てくてく自然(しぜん)散歩(さんぽ)』でもありましたね。」

「そうだね。クワゴについては,No(ナンバー).190に,くわしくあるから()てごらん。それから,クワの()()べられることについては,No.231を見てごらん。」
モンタ博士

花ちゃん
今日(きょう)は,クワゴについてのお(はなし)ではないのですね。」

今日(きょう)は,クワ,そのものについてのお(はなし)だよ。さわったり,ながめたり,いろいろとやってごらん。(なに)()がつくことはないかな。」
モンタ博士

写真3
花ちゃん
普通(ふつう)(えだ)(かん)じですね。どうということないですね。」

()ったり,っぱったりしてごらん。どうなるかな。」
モンタ博士

オーくん
「あれあれ? (えだ)()っても・・・樹皮(じゅひ)がついたままだぞ。っぱっても,なかなか()れないぞ。とってもじょうぶだぞ。」

写真4
花ちゃん
「そうだ。カラムシもこんな(かん)じになりますね。カラムシは(くさ)のから(くき)を()して,それで,織物(おりもの)にするんですね。カラムシ(おり)というのですね。」

「そうだね。よく(おも)()したね。」
モンタ博士

オーくん
「そうだ。クワの樹皮(じゅひ)だけを(あつ)めれば,丈夫(じょうぶ)なロープになるぞ。やってみよう。」

花ちゃん
「いっしょにやりましょう。えい! えい! えい! と,(えだ)()って樹皮(じゅひ)(あつ)めれば,うわー! できあがり。クワの丈夫(じょうぶ)なロープのできあがりです。」

写真5
オーくん
「モンタ博士(はかせ)! このロープはずうっと丈夫(じょうぶ)なんでしょうか。」

「そうだね。1か(げつ)半年(はんとし),1(ねん)たっても大丈夫(だいじょうぶ)だろうね。このクワの(じゅ)()だけでなく,クワ()のコウゾという(しょく)(ぶつ)は,()()(げん)(りょう)にもなるんだよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「それは,どういうことですか。」

(むかし),ある(ひと)がコウゾの(えだ)()った(とき)に,枝の(じゅ)()(じょう)()さに()がついたんじゃないかな。そして,その樹皮を(こま)かく(くだ)くようにして,(せん)()(しつ)(のこ)したんだよ。そして,それをトロロアオイのような,つなぎとして利用(りよう)できる植物(しょくぶつ)()ぜたんだ。そして,できたのが『和紙(わし)』というさ。」
モンタ博士

オーくん
「へえー。(むかし)(ひと)大発見(だいはっけん)をさらに発展(はってん)させて,人々(ひとびと)のために生活(せいかつ)必要(ひつよう)なものをあれこれと(つく)ったんですね。」

花ちゃん
感心(かんしん)ですね。ふだん見慣(みな)れている植物(しょくぶつ)でも,創意(そうい)工夫(くふう)したのがすばらしいです。」

(むかし)から,(ひと)植物(しょくぶつ)とは仲良(なかよ)しだったんだね。」
モンタ博士

(くわ)八王子(はちおうじ)
 八王子(はちおうじ)には(くわ)(みやこ)という清酒(せいしゅ)があり,また,八王子市駅前(はちおうじしえきまえ)には,全国的(ぜんこくてき)()ても(めずら)しい桑の(なみ)()まである。さらに,八王子市(こう)(りつ)(しょう)(がっ)(こう)のナンバースクールの(こう)(しょう)は,ほとんどが桑の()のデザインになっている。このように八王子市と桑との関係性(かんけいせい)はとても(ふか)いが,その淵源(えんげん)(なん)()っても絹織物(きぬおりもの)である。
 最近(さいきん)では,クワの葉(ちゃ)やクワの(あお)(じる)なども研究(けんきゅう)開発(かいはつ)されてきており,八王子の(あら)たな(とく)産品(さんひん)として注目(ちゅうもく)()びているそうである。
 先日(せんじつ),八王子市内(しない)をジョギングしていたところ,元八王子町(もとはちおうじまち)(ちか)くで,(うえ)写真(しゃしん)のよう(ひろ)桑畑(くわばたけ)遭遇(そうぐう)した。子供(こども)(ころ)()広々(ひろびろ)とした桑畑の景観(けいかん)(おどろ)くとともに,たいへん(なつ)かしい(おも)いがした。(ちか)くに桑の()剪定(せんてい)している農家(のうか)のおじさんがいたので,(はなし)()いてみると,元八王子周辺(しゅうへん)(はたけ)としては(れき)(おお)くあまり(さく)(もつ)(そだ)てるには()いていないが,桑の(はたけ)としてはとてもよい(ところ)だったとのことである。その理由(りゆう)(たず)ねると,礫の(おお)場所(ばしょ)(ほう)が,桑の葉が(あつ)くなりカイコにとってはよい(えさ)になるそうで,(むかし),八王子の元八王子の絹糸(きぬいと)は,最高級品(さいこうきゅうひん)だったとのことである。現在(げんざい),八王子市内で養蚕(ようさん)をしている農家は(わず)かに2(けん)のみとのことであった。
   てくてく自然散歩シリーズ
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