2.植物の世界
(3)被子植物(双子葉類)のなかま
(588)パッションフルーツ
「あれあれ? 変わった花だな。今までに見たことないですね。」
「これはね,トケイソウというものです。そうですね。モンタ博士。」
「そうだね。このトケイソウは,パッションフルーツとも呼ばれるものなんだ。最近では,あちこちのお庭で栽培したりしているんだ。」
「もともとは,トロピカルフルーツというのですね。」
「トロピカルフルーツ? これまたあまり聞いたことのない言葉だな。」
「トロピカルフルーツというのは,熱帯や亜熱帯地方でとれるフルーツよ。」
「そんなことまで知っているなんて,花ちゃんはすごいね。まるで,テレビによく出ているチコちゃんみたいだね。トロピカルフルーツというのは,ドラゴンフルーツ,マンゴスチンやスターフルーツ,それにドリアンなどさ。ところで,下の写真を見て気がつくことはないかな。」
「えーっと。畑のようですね。何の畑なのですか。」
「ひょっとして,パッションフルーツの畑ですか。」
「そのとおり。これには,モンタ博士もおどろいているんだよ。」
「どうしておどろくのですか。」
「トケイソウは,今も話したけど亜熱帯の植物で,モンタ博士が初めて見たのは,小笠原諸島に行った時なんだ。おがさわら丸という船の中でお土産として売っていたんだ。そんな亜熱帯の植物が八王子でも育つのかなと,不思議に思ってね,あちこちで情報収集をしてきたんだ。」
「情報収集ですか? それで,どんなことが分かったのですか。」
「まずね,パッションフルーツは,亜熱帯の植物だけど,霜が降りるまでは八王子でも生育が可能なんだそうだ。」
「地球温暖化と何か関係があるのですか。」
「それは考えなくていいらしいよ。パッションフルーツは八王子市では13軒の農家の若手グループで協力して作っているそうなんだ。そのうち,9割が野外で栽培しているそうなんだよ。」
「みんなで協力して,栽培しているのですね。」
「そうだよ。農家の若い人たちは,八王子市の特産品にしようと努力されているそうだよ。」
「うわあー。八王子市の名産品ですか。すごいですね。」
「道の駅はもちろん,あちこちの農協直営のお店などで販売しているし,飲み物やジャムはもちろん,ワインやクレープやいろいろなお菓子など,さまざまなチャレンジをしているそうだよ。すごいね。」
「これからが楽しみですね。たくさん収穫できるといいですね。」
パッションフルーツのつぶやき
私は,パッションフルーツです。和名をクダモノトケイソウともいいます。アメリカ大陸の亜熱帯地域を原産とするトケイソウ科の植物です。果実は,甘さと酸味があり生で食べてもいいし,いろいろと加工して食べても美味しいんです。私の果肉にはβカロテン,クエン酸,ビタミンCが豊富なんです。食べ方は,冷蔵庫で冷やしてから実を半分に切って,スプーンですくって食べます。種はそのまま食べられます。種は噛んでも,噛まなくてもどちらでもOKです。どんな実が美味しいかというと,実全体が紫色になっていれば食べごろ。色が濃いほど糖度が高く,酸味は少なくなります。保存方法としては,常温で保存できます。冷蔵庫で保存すると,酸味が増します。食べる前日に冷蔵庫に入れるとよいでしょう。常温で保存すると,実にシワが入ってきますが大丈夫。むしろそこまで保存した方が,酸味が抜けて甘くなります。酸っぱいのが苦手な方は,シワが入るまで保存してから食べるといいでしょう。他に,ヨーグルト,バニラアイス,杏仁豆腐にフルーツソースとしてかけて食べてもとても美味しいです。