2.植物の世界
(3)被子植物(双子葉類)のなかま
(9)わあ、楽しい! 草花あそびの世界
6.その他
(1)動画で楽しむ世界
(570)タケニグサ
「この写真はどこですか。」
「モンタ博士のおうちの近くの空き地なんだよ。何本か大きな草があるけど,分かるかな。」
「タケニグサという植物ですか。」
「よく知っているね。さすがは花ちゃん。感心だね。」
「タケニグサ? ぼくは初めて聞く名前です。どんな植物なのですか。ひょっとして,竹に似ているから,たけにぐさ・・・なーんってね。じょうだんですが。」
「ピンポーン。そのとおり。オー君の言うように,竹は茎が中空になっているだろう。このタケニグサも中空でね,この名前になったんだよ。」
「え! 本当ですか。何事も言ってみることですね。」
「ところで,このタケニグサは,ケシ科の植物でね,高さが2mくらいになるんだ。別名チャンパギクとも言うんだ。」
「チャンパギク? 変な名前ですね。」
「チャンパというのは,ベトナムのという意味で,帰化植物と思われていたんだけど,本当は,昔から日本にあった在来植物なんだよ。」
「葉っぱは緑色だけど,葉の裏はずいぶんと白いですね。」
「それでね,ウラハチャンパギクとも呼ばれたりするんだよ。」
「へえー。いろいろな特徴があるんですね。ところで,どんな植物か,葉っぱをよーく観察してみよう・・・さわるとふわふわな感じですね。それから,葉っぱをちぎってみるか。あれあれ?」
「どうしたの? オー君。何か発見したの。」
「あのさ,タンポポって,ちぎったりすると白い汁が出るよね。タケニグサはどうかなと思って葉をちぎったら,オレンジ色の汁が出たんだ。」
「え! 本当? 私もやってみる。あ! すごい。大発見ね。」
「あのさ,葉っぱから出るということは,茎からもオレンジ色の汁が出るんじゃないかな。やってみよう!」
「すごい! 文字が書けるかもしれないね。やってみようよ。」
「タケニグサと書いてみよう! よし! 書けたぞ。大成功だ。」
「マーカーペンのように使っても楽しそうですね。」
「これも大成功だ。ヤッター!」
「へえー,これは大発見だね。こんなにオレンジ色の汁が出るなんて不思議だね。どうしてだろうね。茎の下の根っこを掘ってみようか。」
ということで,3人でタケニグサの根を掘り起こしたそうな・・・。
「うわあー。すごく大きな太い根ですね。それに,色がすごいね。」
「すごいというか,真っ赤な色をしているんですね。何だか毒々しい感じもする根っこですね。」
「おどろきだね。モンタ博士もタケニグサの根っこを見たのは初めてだよ。植物や動物など,生き物の世界には,まだまだ知らないことやおどろきや大発見があるんだね。これからもあちこちでいろいろと観察をしていこう。」
タケニグサの薬の効用と危険な毒について
タケニグサは,ケシ科の大型の多年草です。本州から九州の日当たりのよい草地や空地に自生しています。森林伐採後にいち早く生育するパイオニア植物といわれています。葉や茎から出る黄色くオレンジ色をした汁は,プロトアネモニンやプロトピンなどを含んでおり,有毒なので絶対に口や目に入れてはいけません。昔から「毒を変じて薬となす」といわれていますが,このタケニグサの乳液は殺菌作用が強く,皮膚病などにも効き目があるそうです。
よく毒草といわれるものがありますが,食べると死んでしまうものは,トリカブト,ドクゼリ,ドクウツギなどで,三大毒草と呼ばれています。その他の毒草というのは,どの程度なのかは,はっきりしていないものが多いように感じます。ともかく,口に入れるものは十分に気を付けた方が良いです。山菜採りやキノコ狩りなどは,詳しい人と一緒に採集しましょう。