2.植物の世界
(2)葉・茎・根のつくりとはたらき
(9)わあ、楽しい! 草花あそびの世界
6.その他
(3)テスト・問題・検定
(568)葉っぱの笛検定(初級・中級・上級)
「お! 花ちゃん。スズメノテッポウの笛で遊んでいるね。」
「私,この笛,大好きなんです。春の風を感じながら,田んぼでの遊びは最高ですね。」
「スズメノテッポウはたくさんあるから,何度でもチャレンジできるところがいいね。」
「そうだね。いろいろな草や木で音を出して遊ぶことは,その植物のようすや特徴も自然と学べるからいいね。そこでね,今回,モンタ博士が勝手に『1枚の葉っぱで笛づくり・・・初級・中級・上級検定』というものを考えたんだ。」
「え! 笛の検定? どういうことですか。」
「検定というと,順番に上がっていくのですか。」
「検定に合格したら,合格認定カードとかもらえるのですか。」
「初級・中級・上級とあるけど,どれからチャレンジしてもいいよ。それから,合格認定カードも作ってあげよう。」
「それは楽しみですね。それで,どういう検定なのですか。教えてください。」
「まず,1枚の葉でできるというのがポイントだね。まず,初級編としてはね。」
「初級編とは・・・?」
「これは一番かんたんだね。だから初級編なんだけど,1枚の葉っぱを口に当てて優しくふくだけだよ。」
「それは,かんたんでいいですね。どんな葉っぱがいいんですか。」
「そうだね。いろいろな葉っぱでやってみることが大切だよ。どんな葉っぱなら音が出るか,葉っぱによって音のちがいがあるとか,あれこれ試してごらん。」
「草の葉っぱでも,木の葉っぱでもいいのですか。」
「そうだね。どっちもいいさ。ふき方のコツとしては,葉の両はじを持って口びるにそっと当てて,葉の表面をふるわすようにふくことだね。丸くてうすい葉っぱなんかが音が出やすいね。ニセアカシアの葉なんかいいね。ともかく,いろいろな葉でやってごらん。大切なことはチャレンジ精神と遊び心さ。」
「はい。分かりました。チャレンジします。中級というのは,どんな笛ですか。」
「これもかんたんだよ。1枚の葉を葉の先から巻き,真ん中を持つ。それから,ふき口を上下の口びるでおさえたりして,音の出るところを探しながら,音を出すんだ。」
「何かコツというのはあるのですか。」
「そうだね。葉の表を中に織り込むようにするといいよ。口びるのおさえ方を調節しながら,音の鳴りやすいところを探すんだ。ふく強さもいろいろとやってみることだね。シラカシの葉っぱでやるといい音が出たよ。」
「はい! やってみます。オー君! いっしょにやろう!」
「うん。いいよ。それから,上級編というのはどんな笛ですか。」
「これは,前にも教えてあげたことがあると思うけど,絵のように,葉っぱをたてにさいて,指の間にはさんで,親指の間に息をふきこむんだ。たてにすじのあるような単子葉植物でやるといいよ。」
「単子葉植物? どんなのだったかな。」
「ごめん。むずかしい言葉を使ってしまってごめん。つまり,イネ科植物のササやエノコログサなど,たてにすじのある植物。平行の脈がある植物でやるといいんだ。網目の脈のあるものではちょっと無理だと思うよ。」
「平行とか,網目の脈とか,むずかしいなあ。」
「まあ,そんな言葉なんかどうでもいいよ。たてにさけるような葉っぱを探してやってごらん。あれこれと探しながらやることが楽しいんだよ。」
「これも何かコツがあるのですか。」
「そうだね。ともかく,何度も何度もチャレンジすることだね。失敗は成功のもとだよ。そして,音が出た時はうれしいものだよ。それに,友達どうしで教えあったりするのもいいね。」
「何だか,わくわくドキドキしてきましたね。」
「それからね,毒があったり,さわるとかぶれたりする葉では行わないように注意してほしいね。ともかく,チャレンジ精神と遊び心で楽しんでやろう。」
笛の検定合格のための「傾向と対策」
初級編4~5月ごろ,若葉が出始めたころがよい。つまり,柔らかな葉っぱがお薦めである。葉の表面がつるつるの方が音が出やすい傾向である。
中級編ツバキやカシ類,サザンカ,マサキ,ネズミモチなどの常緑樹がお薦め。葉の表面に凹凸があるものよりも,平らのものの方がよい傾向にある。
上級編裂いた葉の幅は3~5ミリくらいが適している。親指の第一関節と第二関節の間に縦にはさみ優しくふくとよい。イネ科植物は,葉の縁にガラス質のトゲトゲがあるので,指を切らないように注意が必要である。