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「この虫,この写真,どこかで見たことがあるみたいですよ。」
「オー君! うれしいね。『てくてく自然散歩』をよく読んでくれているんだね。」
「もちろんですよ。最近,スマホをおうちの人に誕生日プレゼントで買ってもらってから,ひまさえあれば,『モンタ博士』と入力して,あれこれと楽しんでいます。」
「そうかい,そうかい。モンタ博士はめちゃくちゃうれしいし,ありがたいね。」
「私も,おうちにあるパソコンでよく見ています。SNSの使い方については,よく注意しないといけないのですね。」
「そのとおりだね。人のために役立つSNSだけど,使い方をまちがえるといけないね。それに,悪い人もいて,悪用してめいわくをかけている人もいるから,十分に注意していきましょう。家や学校でのSNSのきまりをしっかりと守ろうね。」
「はい,分かりました。」
「ところで,東京書籍のこのシリーズは,初めてアップされてから20年くらいずうっと配信されているものでね,モンタ博士のこれまでの研究のすべてが記され整理されているものなんだよ。」
「最終的には,てくてくシリーズは,600号までなるそうですね。」
「そうだよ。それでね,あれこれと実験や観察などをしたり,これまでのものをより分かりやすくするために,バージョンアップしたりしているんだよ。」
「それで,またアオドウガネのお話なのですね。」
「そうだよ。以前は4コマ写真だったけど,今回は動画にしたんだよ。これがまたよくできていて,ともかく楽しいんだ。」
コガネムシ センチコガネ
「よく分かりますね。動きがとてもかわいいですね。ちょっとユーモラスな感じで,これなら,虫ぎらいの人でも好きになるかもしれませんね。」
「そうだね。そのとおりだね。『よっこらしょ』って感じがするよね。動画に出演してくれたお礼に,たっぷりと昆虫ゼリーを食べさせてあげたんだよ。それから,たくさん遊んだ後は,元の場所にもどしてあげることもわすれないでほしいね。」
「え! モンタ博士。つかまえた虫は標本にはしないのですか。」
「標本にするときもあるけど,すぐににがしてしまうこともあるさ。標本にするときには,ていねいにていねいに今の虫の状態を最高に美しく表現してあげるようにしようね。そうしないと,虫たちに失礼だね。標本づくりは,虫たちに『第二の命』を与えることと同じなんだよ。」
「そのとおりですね。それは植物にもいえることですね。」
「ところで,モンタ博士。コガネムシというのは,甲虫のなかまですね。甲虫といってもいろいろといますが,どれもコガネムシのような起き上がり方をするのですか。」
「そうだね。オー君の言うように,いろいろな甲虫で実験してみるのもいいね。どんな虫でやってみようかね。」
「そうですね。カミキリムシ,ゾウムシ,オトシブミ,ハンミョウ,タマムシ,テントウムシ,オサムシなどでやってみたいです。」
カミキリムシ ゾウムシ オトシブミ
タマムシ テントウムシ オサムシ
「すばらしいね。ぜひやってごらん。そして動画をとるといいね。」
「私にも手伝わせてください。」
「二人で仲良くやってごらん。文明の利器は活用した方がいいね。」
それから数日後・・・二人はモンタ博士のところに報告に来たそうな・・・。
「モ,モ,モンタ博士! おもしろい虫を発見しました。」
「そんなにあわてないでいいよ。」
「コメツキムシです。ひっくり返しておいたら,高く飛び上がるんです。」
コメツキムシ
「それはおもしろそうだね。動画ですぐに記録だよ。」
コガネムシのつぶやき
おいおい! 何度も何度もそんなに起き上がり方なんて見なくてもいいだろう。あと1回だぜ。しっかり見てろよ! ふつうの虫は,起きるときには,横にひっくり返るだろう。ところがどっこい,おいらはちがうぜ。まず,後ろ足で・・・後ろ足でしっかりと立つようにして・・・。ここからが大事だ! 起き上がりこぼしみたいにしてな。そんで,いきおいよく『エイ!』と前へ・・・。これで起き上がり終了さ。ここでお願いだ。もうおいらをひっくり返したりしないでおくれよな。