トウショキッズ 東書KIDS

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花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ
2.植物しょくぶつ世界せかい
 (1)はなのつくりとはたらき
 (4)被子植物ひししょくぶつ単子葉類たんしようるい)のなかま
 (11)おいしい植物しょくぶつ世界せかい
6.その
 (4)実験じっけん観察かんさつ調査ちょうさから
(560)ヤブカンゾウ開花かいかとレシピ
写真1
オーくん
「あれ? これはどこだろうなあ。()たことある(みち)だね。あれ? オレンジ(いろ)(はな)()いているぞ。」

花ちゃん
「これは登校(とうこう)(とき)(とお)(みち)ですよ。きれいなお(はな)()いているでしょう。これはね,(なつ)になると咲くお花で,ヤブカンゾウというのよ。」

オーくん
「オレンジ(いろ)(はな)っていいですね。夏休(なつやす)みももうすぐだ。わくわくドキドキだ。」

花ちゃん
夏休(なつやす)みには自由(じゆう)研究(けんきゅう)があるけど,(わたし)はそれとは(べつ)自主(じしゅ)研究(けんきゅう)をしているのよ。」

オーくん
「え! 自主(じしゅ)研究(けんきゅう)? すごいな(はな)ちゃん! さすがだね。ところで,(なん)の研究をしているのか(おし)えてよ。」

花ちゃん
「あのね,いつも(とお)(みち)のヤブカンゾウを()ていたら,このお(はな)はいつ()くのかなと疑問(ぎもん)(おも)ったの。そこで,(はや)()きして,どのように花びらを(ひろ)げていくかを調(しら)べたの。」

オーくん
「へえー。すごいな。それでどうなったの。」

花ちゃん
(ひと)つのヤブカンゾウのお(はな)()めて,どう変化(へんか)するかを写真(しゃしん)でとったの。いろいろとおもしろいことが()かったの。花びらは,いっぺんに(ひら)くのではなくて,(すこ)しずつ(ひろ)がっていくのよ。(した)に4(まい)の写真があるけど,変化していくようすがよくかるわよ。観察(かんさつ)したのは,2019(ねん)(がつ)29(にち)です。」

写真2
()(ぜん)()       午前6時30(ぷん)
写真3
午前8時        午前9時30分
オーくん
「モンタ博士(はかせ)! ヤブカンゾウの(はな)変化(へんか)していくようすがよくかりますね。」 

「そうだね。(あさ)()から1時間(じかん)30(ぷん)ごとにしっかりと写真(しゃしん)がとれていて,とてもすばらしい。(おな)位置(いち)から撮影(さつえい)してあっていいね。自主(じしゅ)研究(けんきゅう)というのもとてもいいね。そこで,さらに()()げるために共同(きょうどう)研究(けんきゅう)にしようか。」
モンタ博士

花ちゃん
「え! 共同(きょうどう)研究(けんきゅう)? どういうことですか。」

「あのね,モンタ博士(はかせ)前々(まえまえ)からヤブカンゾウの(はな)について,おもしろいと(おも)ったことがあるんだよ。それはね,どんなことかというとね,(つぎ)写真(しゃしん)にあるから,よーく()てごらん。」
モンタ博士

写真4
オーくん
(はな)びらとおしべとかいろいろとありますね。」

「(1)は,ふつうのおしべだけど,(2)は,おしべみたいだけど半分(はんぶん)(はな)びらみたいでしょ。それに,(3)と(4)は,花びらなのにおしべの花粉(かふん)のようなものがいているんだよ。このことから,()っぱが花びらやがく● ●,おしべやめしべに変化(へんか)したものであり,そのとちゅうのようすがヤブカンゾウではよく観察(かんさつ)できるということなんだよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「なるほど,(はな)びらなのに花粉(かふん)いていたりするんですね。これからもっともっとよーくくわしく観察(かんさつ)していきますね。」

オーくん
「そうだ! ぼくも共同(きょうどう)研究(けんきゅう)していくよ。ヤブカンゾウの()ってどうなっているんだろう。シャベルで()って確認(かくにん)してきまーす。写真(しゃしん)をとってきまーす。」

「みんなでいろいろと共同(きょうどう)でやることは(たの)しいことだね。あれ! オー(くん)がもうもどってきたよ。」
モンタ博士

オーくん
「ヤブカンゾウって,単子葉類(たんしようるい)っていうんでしょ。それで,()っこはひげ根だと(おも)ったら(おお)まちがい。とってもおもしろい(かたち)をしていたので,ぼくは,びっくりしました。さあ! ヤブカンゾウの根の写真(しゃしん)()てください。」

写真5
「すごいね。これこそ,(はな)ちゃん・オー(くん)・モンタ博士(はかせ)共同(きょうどう)研究(けんきゅう)だね。これからもみんなでいろいろな共同研究をやっていこう。」
モンタ博士

ヤブカンゾウのつぶやき
 (わたし)はヤブカンゾウといいます。あちこちにふつうに()えているススキノキ()植物(しょくぶつ)です。ススキノキ科というのは,APG(エーピージー)分類(ぶんるい)体系(たいけい)(もと)づいて(しめ)されたもので,(すこ)(まえ)まではユリ()(ぞく)していました。ユリ科は(おお)きな科でしたが,一家(いっか)離散(りさん)(ごと)くたくさんの科に()かれました。詳細(しょうさい)はまた後日(ごじつ)します。
 ところで,ヤブカンゾウによく()(なつ)(はな)ではノカンゾウという一重(ひとえ)の花がありますが,こちらはやや個体数(こたいすう)(すく)ないようですよ。また,私の仲間(なかま)にはニッコウキスゲなどがあり,とても綺麗(きれい)な花を()かせ(なつ)高原(こうげん)(いろど)ります。尾瀬ヶ原(おぜがはら)最高(さいこう)霧降(きりふり)高原(こうげん)有名(ゆうめい)です。霧ヶ峰(きりがみね)のニッコウキスゲも見事(みごと)でしたが,最近(さいきん)鹿(しか)()べてしまうそうで,激減(げきげん)しているのが残念(ざんねん)です。ムサシノキスゲという(しゅ)もありますが,これは東京都(とうきょうと)府中市(ふちゅうし)浅間山公園(せんげんやまこうえん)という(ところ)自生(じせい)しているとてもとても(めずら)しいものなので,一度(いちど)()てください。
 お(はなし)(なが)くなりましたが,私は(なん)っても,とても美味(おい)しいので有名(ゆうめい)です。(はる)になり()出始(ではじ)めたころに,()(うえ)部分(ぶぶん)から()るんです。お()でゆでればおひたしのできあがり。お醤油(しょうゆ)におかかでも美味(びみ)だし,酢味噌(すみそ)()えも人気(にんき)があります。野山(のやま)(はる)精気(せいき)をいただく(かん)じで,それはそれは()()しいわよ。まだ()べたことのない(ひと)はぜひチャレンジしてみてください。
   てくてく自然散歩シリーズ
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