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花ちゃん・オー君・モンタ博士のてくてく自然散歩シリーズ
3.動物どうぶつ世界せかい
 (4)とりのなかま
(552)とり視力しりょくきそばパン事件じけん
写真1
花ちゃん
「モンタ博士(はかせ)! これは,どこかの(うみ)写真(しゃしん)ですね。」

「そうだよ。(いま)から20(ねん)くらい(まえ)かな。むすめといっしょに(かい)(がん)()(ぜん)(かん)(さつ)()かけた(とき)のものだよ。」
モンタ博士

オーくん
(かい)(がん)ですか。いいですね。お(じょう)さんとお()かけして(たの)しかったことでしょう。」

「ところがどっこい。この(とき)は,()にも(おそ)ろしく残念(ざんねん)大事件(だいじけん)があったんだよ。」
モンタ博士

花ちゃん
大事件(だいじけん)(なに)事故(じこ)でもあったのですか。」

(いま)でもわすれられない大事件(だいじけん)! それはね,『()きそばパンゲット事件』さ。」
モンタ博士

オーくん
「『()きそばパン? ゲット事件(じけん)?』(なん)ですか,それは?」

「モンタ博士(はかせ)たちは,海岸(かいがん)植物(しょくぶつ)磯辺(いそべ)貝殻(かいがら)などを(ひろ)ったりして,海岸でたくさん(たの)しんだ(あと)に,さあ! お(ひる)にしようということで,モンタ博士が()きそばパンを()()して,()べようとした(とき)悲劇(ひげき)()こったのさ。」
モンタ博士

花ちゃん
悲劇(ひげき)? どうしたのですか。」

「パックンと()きそばを()べようとした瞬間(しゅんかん),な,な,なんと,トビに焼きそばパンを()られてしまったというわけなんだ。」
モンタ博士

オーくん
「トビって,あの(そら)()(とり)ですか。」

花ちゃん
「トビが()りてくる(とき)に,モンタ博士(はかせ)()がつかなかったのですか。」

写真2
一瞬(いっしゅん)のことだったね。あれ! と(おも)った瞬間(しゅんかん)には,トビが(あし)()きそばパンをしっかりとつかみ,(おお)(ぞら)(とお)くに()んでいってしまったのさ。」
モンタ博士

花ちゃん
「それは大変(たいへん)でしたね。トビは(たか)(そら)(うえ)から見張(みは)っていたのでしょうね。でも,モンタ博士(はかせ)もお(じょう)さんもケガがなくてよかったですね。」

オーくん
「それにしても,トビって()がいいのですね。」

「そうなんだ。トビやワシ・タカなど猛禽類(もうきんるい)はおどろくほど()がいいんだよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「モンタ博士(はかせ)()がいいといいますが,どのくらい目がいいのですか。」

「そうだね。人間(にんげん)のように視力(しりょく)検査(けんさ)はできないからね。でも,ある(ほん)によると,望遠鏡(ぼうえんきょう)のように(もの)拡大(かくだい)して()えるのはではなく,(とお)くの物でもはっきりと見えるような,ハイビジョンのような,4(ケー)や8Kのような高解像度(こうかいぞうど)鮮明(せんめい)画像(がぞう)が見えているそうなんだ。」
モンタ博士

オーくん
「へえー。すごいのですね。具体的(ぐたいてき)にどのくらい()えるのですか。」

「ある(ひと)調(しら)べたそうだけど,人間(にんげん)ならば100(メートル)くらいの距離(きょり)でウサギの(みみ)()っているのは()かりますが,ノスリという猛禽類(もうきんるい)では,3km(キロメートル)(はな)れたところからでも耳が立っているかどうかが分かったそうなんだ。」
モンタ博士

花ちゃん
「すごいですね。おどろきですね。」

「さらに最近(さいきん)研究(けんきゅう)では,()()いだけではなく,人間(にんげん)()えないものまで見ているということが(あき)らかになってきたんだ。」
モンタ博士

オーくん
人間(にんげん)()えないもの・・・なんだろうなあ。」

(たと)えば,チョウゲンボウというタカとりは,人間(にんげん)()では()えない紫外線(しがいせん)領域(りょういき)も見えていることがかってきているんだよ。」
モンタ博士

オーくん
紫外線(しがいせん)・・・(なん)だかむずかしいお(はなし)になってきたみたいですね。」

「まあ,かんたんにうと,チョウゲンボウの獲物(えもの)であるハタネズミは,()(ぶん)(とお)(みち)尿(にょう)使(つか)ってにおいのマークをつける習性(しゅうせい)があるんだ。そこで,フィンランドの科学者(かがくしゃ)人工的(じんこうてき)にハタネズミのマークと(おな)()(がい)(せん)()える通り道を(つく)り,チョウゲンボウを(はな)して(じっ)(けん)をすると,紫外線で()かび()がる道筋(みちすじ)興味(きょうみ)(しめ)したということなんだ。つまり,チョウゲンボウという(とり)は,(ひろ)草原(そうげん)()びながら,ネズミの通り道を紫外線の見える()(さが)し,獲物にありついていたというわけなんだよ。」
モンタ博士

花ちゃん
「へえー,(とり)ってすごいんですね。」

オーくん
「よし! これからは,(とり)についてもいろいろと勉強(べんきょう)していこう!」

鳥目(とりめ)っていうけど,どういうことだろう?
 (とり)()というと,(よる)はまったく(もの)()えない「鳥目(とりめ)」であるというのが定説(ていせつ)になっています。ところが,実際(じっさい)の鳥の(おお)くは夜でも(そら)()んでいることが(おお)く見られます。では,なぜ鳥は夜,目が見えないというのでしょうか。それは,人間(にんげん)生活(せいかつ)にもっとも身近(みぢか)なニワトリが鳥目だからです。暗闇(くらやみ)()ているニワトリに背後(はいご)から(ちか)づき,そっと()()さえると簡単(かんたん)(つか)まえることができます。このようにニワトリが夜に目が見えないため,鳥全体(ぜんたい)が鳥目であるといわれているのです。(とく)にニワトリは,視力(しりょく)自体(じたい)(よわ)く,人間の(やく)10(パーセント)しか見えていないという報告(ほうこく)もあるくらいです。
   てくてく自然散歩シリーズ
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