2.植物の世界
(2)葉・茎・根のつくりとはたらき
(3)被子植物(双子葉類)のなかま
(9)わあ、楽しい! 草花あそびの世界
(548)植物のやじろべえ遊び
「ねえ! 花ちゃん。この前,モンタ博士がちょっと話していたけど,『やじろべえ』の草って,何のことだい?」
「やじろべえの草? そうね。そんな遊びもしたと言っていたわね。でも,どういうのか・・・私も知らないわ。」
「それじゃ,モンタ博士に聞いてみようよ。」
「でも,今日は,モンタ博士は,お出かけなんだって。」
「そうだ! それじゃ,ラインを送ろうよ。」
「ピポパポピポパポ(やじろべえの草って,どうやって遊ぶのですか。)」
「ピポパポピポパポ(いろいろな植物でできるよ。木でもいいし,草でもいいね。今の季節は,木ならモミジがいいかな。あ! そうだ。学校の雑草園にイノコヅチがあるから,あれでやってごらん。)」
「ピポパポピポパポ(イノコヅチという植物は分かりますが,どうやってやじろべえにするのですか。)」
「ピポパポピポパポ(ラインで写真を送ればいいけどね,今,いそがしくてね。説明するのもむずかしいな。あ! そうだ! オー君と花ちゃんの二人で,いろいろとじっくりと観察すると,分かると思うよ。)」
「そうか,こまっちゃったけど,二人で考えよう! ところで,イノコヅチって,どんな植物だったかな。花ちゃん! 教えてよ。」
「まかせてね。学校の雑草園に行こう。」
ということで,学校の雑草園に二人で行ったとさ・・・。
「たくさんあるわ。雑草だからいっぱい採っても大丈夫よ。これがイノコヅチという植物よ。でも,どうやって,やじろべえにするのかしら。」
「ふーむ。まず,じっくりとイノコヅチをながめることにしよう。」
「じっくりと観察していれば,何か気がつくはずね・・・。」
「あ! そうか。分かった。謎はとけた!」
「え! オー君。分かったの。どうすれば『やじろべえ』ができるの?」
「花ちゃん。よーく見てごらん。真ん中の茎のところから,枝と葉っぱがいっしょについているだろう。それで,右と左が同じになるから,『やじろべえ』ができるんだよ。」
「大発見ね。つまり,枝や葉っぱがいっしょについている植物は,ぜんぶ『やじろべえ』ができるのね。」
「花ちゃん。さあ!『やじろべえ』になる植物をもっともっとたくさん探しに行こう。学校や公園,それから,あちこちの野山をてくてくしよう。そして,やじろべえになる植物を見つけて楽しく遊ぼう。」
葉や
枝の
付き
方について
対生(たいせい)・互生(ごせい)・輪生(りんせい)
植物を観察するときに,葉や枝の付き方や出方に気を付けてみましょう。茎から一枚の葉や枝が互い違いに出ることを互生と言います。それに対して,茎から二枚の葉や枝が左右一緒に向かい合って出ることを対生と言います。つまり,やじろべえができる木や草はどれも対生の植物ということです。
茎から三枚以上の葉や枝が出ることを輪生と言います。また,特別に茎から二枚ずつ同じ向きに出て,次にその反対の向きに二枚ずつ出るものをコクサギ型葉序と言います。コクサギ型葉序の植物としては,コクサギの他にシナノキ,ケンポナシ,サルスベルなどがありますが,種類は少ないようです。