1.身近な自然の観察
(6)天文現象・自然現象・暦
(532)美しい雲・虹色の雲・彩雲
それは,1月16日(火)の朝,国立第七小学校の校門近くでのことでした・・・。
「あれあれ? あの空,何か変だよ。雲に色がついてるよ。」
「本当だ。不思議だね。お空に色がついていれば,虹だよね。」
「みんなに知らせてあげようよ。ねえ! お空の雲に色がついてるよ。」
「え! 雲に色が・・・。本当だ。すごーい。モンタ博士に教えてあげようよ。」
「そうしよう。そうしよう。」
「あそこに変な雲があります。雲に色がついています。虹とはちがうように見えますが,何ですか。なんかとっても不思議なんですが・・・。」
「なになに? どこどこ? あ! 本当だ。雲なのに虹のように色がついてるね。これは,大発見の大大発見だ。モンタ博士も初めて見るよ。」
「どうしてこんなことがおこるのですか。」
「ずうっとこのままあるのですか。」
「よく気がついたね。感心だね。どうしてなのだろうね。」
「モンタ博士にも分からないことがあるのですか。」
「もちろんだよ。分からないことだらけさ。不思議なことはいっぱいあるね。」
「太陽はもっと左にあるし・・・。分からないなあ・・・。」
「ひょっとして・・・。太陽の光が・・・。」
「ひょっとしてどうしたのですか。太陽の光がどうしたのですか。」
「雨の後に虹が見えることがあるね。虹は,太陽の光と空気中の細かな水滴とが関係して見えるけど,それに近いことがおこっているのかもね。」
「太陽の光・・・? どういうことですか。」
「ふつう太陽の光って,見ることができないけど,ガラスに当たって見えたり,CDの裏を見ると,七色に見えたりするけど,それに近いかもね。」
「CDの裏が見る角度によって色がかがやくのは見たことがあります。」
「そうだろう。ともかく,このなぞの気象現象を見ることができてラッキーだったね。みんなでもう少し調べてみるのもいいね。また分かったら教えあおうね。」
光の干渉について(構造色のひみつ)
CDの裏面がなぜ光るのかという科学の秘密は,細い溝が規則的に並んだ微細構造にあるといえる。光には波の性質があり,規則的に並んだ溝状の構造の表面で反射すると,角度によっては波が重なり大波となる。そして,この時,光が強調されて独特な光を放つのである。この現象を物理学的には,光の干渉という(もっと詳しく知りたい方は,高校生の物理の教科書・参考書を見ればお分かりになるでしょう。)。
CDが虹の色(赤,橙,黄,緑,青,藍,紫)に見えるのも,シャボン玉の表面に色がついてきれいに見えるのも,表面にある細かな溝の干渉によるためであるといわれています。なお,色には色素による色素色と構造による光の反射や屈折などで見える構造色があります。