3.動物の世界
(6)チョウ・ガのなかま
4.自然界のつりあい・環境保全・地質と地形の世界
(1)自然界のつりあい
(529)キアゲハとレンゲソウ
「あ! このチョウは,アゲハチョウかな。」
「ちがうよ。キアゲハだよ。チョウやいろいろな虫については,ぼくにまかせて! アゲハチョウとキアゲハは,どちらもよく似ているチョウなんだけど,どっちも国立のあちこちにいると思うよ。ところで,ピンクのお花は何かな。」
「お花のことは,わたしにまかせて! このお花は,レンゲソウというのよ。ピンクのお花がとってもきれいで,わたしのお気に入りの春の花です。」
「この写真は,とてもすてきだけど,だれがとったのかな?」
「モンタ博士がとった写真でーす! そんなにほめられちゃって,ちょううれしいね。キアゲハとレンゲソウがとてもマッチしていていいだろう。」
「それでは,キアゲハについて,オー君からお話しします!」
「待ってました! オー君。さあ,どうぞ。」
「キアゲハのほうが少し黄色ぽいね。羽のつけねが黒いのも特徴だ。アゲハは黒いすじになるんだ。大きなちがいは,食べる葉っぱさ。アゲハはミカンのなかまを食べるけど,キアゲハはセリのなかまが好きなのさ。」
「なーるほど。それからそれから・・・。」
「幼虫もだいぶちがうんだ。アゲハは,白と黒のまだらもようで,とちゅうから緑色になるんだけど,キアゲハは,黄緑色と黒いすじのもようになっていて,だいぶちがうんだ。」
「そうだね。二つをよく観察して,そのちがいや同じところをさがすことは,
とても大切だね。ひかくして科学的に見るということは,楽しいことなのさ。次に,花ちゃん! レンゲソウについてどうぞ。」
「レンゲソウは,よーく見ると小さな花が一つ一つ集まって,たくさんに集まったお花なんです。花の形もちょっと変わっているんです。マメ科の植物の花は,みんなこんな形の花なんです。」
「なーるほど。それからそれから・・・。」
「今,田んぼにいっぱいレンゲソウの花が咲いていますが,どうしてお花畑のように咲いているかというと,それは目的があるからなんです。」
「え! どんな目的なの。」
「それは,田んぼの土に栄養をあたえるためなんです。緑肥植物といって,窒素固定するためなんです。」
「キアゲハがいたり,レンゲ畑があったり,春はとってもステキだね。」
根粒バクテリアってなあに?
マメ
科植物の
根には,こぶのようなつぶつぶがついています。この
中には,
根粒菌という
細菌(ふつうバクテリアといったりします)がいて,
宿主のマメ科植物から
栄養をもらって
生きているのです。
一方,根粒菌は,植物がつくることのできない
物質をつくることができ,その物質をマメ科植物に
与えているのです。この物質というのが,
窒素化合物で,
土の中では
不足しやすいといわれています。
畑の
作物にはよくこの
窒素肥料が
施されます。しかし,マメ科植物の作物には窒素肥料をやらなくてもよく
育つのです。それは,根についている根粒菌が窒素化合物をつくって,それを
自分で
利用するだけでなく,宿主のマメ科植物にもあげているからです。
窒素固定ともいいます・・・。