2.植物の世界
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6.その他
(1)動画で楽しむ世界
(527)ミカンのひみつ その3(ビデオ)
「モンタ博士! この前のお話のつづきですが,ミカンの葉っぱや実の表面の小さな点々は,油ということですが,油ならば燃えるということですね。」
「そういうお話だったね。」
「そうだね。『油は燃える』ものである。だから,ミカンの油点も燃えるかもしれないと,考えたことがすばらしいね。みんなはまだ子供だから,知っていることにも限りがあるけど,それでも,自分の知っているいろいろなことをあれこれと考えて,結びつけて,それで想像することは,とっても意味のあることなんだ。すばらしいね! これからも,自分の知識をいっぱいはたらかせて想像していこう。まちがえたっていいのさ。当たらなくてもいいのさ。たくさんのまちがえをしていこう。みんなが,『ビタミンCかな』だとか,『栄養かな』とかいってくれてうれしかったね。」
「ところで,モンタ博士。ミカンの油点が燃えるお話はどうなったのですか。」
「ごめんごめん。そうだったね。『燃える』かどうかを確かめるためには,どうすればいいのだろうね。」
「そんなの簡単です。火を近づけて燃えるかどうか試せばいいと思います。」
「そのとおり。なんだか,理科の実験のようになってきて,おもしろくなったね。燃やすためには火が必要だね。それで,ろうそくを一本用意するんだよ。」
「ろうそく? どうするのですか。」
「まず,ろうそくに火をつけるんだ。」
「え! 火をつけるのですか。何だか恐いですね。」
「そうだよ。恐いね,だから,この実験は子どもだけでやっては絶対にいけないよ。必ず大人の人といっしょにやりましょう。火遊びは絶対にいけません。」
「それで,ろうそくに火をつけて,その後どうするのですか。」
「ミカンの皮をむいて,この時,なるべく大きくむいた方がいいね。それで,ミカンの皮を持って,ギューとしぼってごらん,つまり,こうするんだ。」
「すると・・・何と不思議! パチパチと音をたてて光って燃えるよ。」
「うわあー! すごーい! とってもきれい! まるで花火のようですね。」
「この油にはリモネンというものがあり,発泡スチロールを溶かしてくっつけることもできるんだよ。冬至のころにユズ湯を入れるけど,ミカンにふくまれるこのリモネンというものや,クエン酸が湯ざめを防ぐのにいいといわれているんだよ。」
「へえー。そうなんだ。ミカンはいつもよく食べるけど,いろいろと調べるとおもしろそうだね。それでは,もっとくわしくみてみよう。包丁で切ってみよう。」
「きれいにならんでいるね。いくつあるのかな。」
「だいたい10個くらいなんだ。花は5枚で,5数性の植物だから,その倍の10個くらいさ。」
「へえー。そうなんだ。」
「まあそうだけど,ここらで,みんなでおいしいミカンをいっしょに食べましょう。」
ミカンの植物学的解剖所見より
外側の橙黄色の部分は外果皮で,皮の内部の白くてはげるところは中果皮という。食用とするのは,内果皮といいこの袋の中にある突き出した細胞の中の汁(細胞液)である。もともとこの細胞というものは,植物の葉に生えていた毛が変化したもので,この毛が膨らみジューシーになっているのである。