3.動物の世界
(5)ハチのなかま
(515)キンケハラナガツチバチ
「あれ,あれ,あれ? おや,おや,おや? なんだ。」
「どうしたんだよ。何があったの。」
「ねえねえ,あれは虫じゃないかな。」
「どれどれ? どれだよ。」
「朝礼台の下に,何か虫みたいなものがいるぞ。」
「うん。じゃあ,見に行こうぜ。」
「これ,ハチじゃないかな。」
「おいら,ハチきらいだ。さされたことあるんだよな。おいら,いたくていたくて泣いちゃったぜ。」
「でもさ,このハチ,死んでいるんじゃないかなあ。」
「ちょっと動いているぜ。」
「おいおい,それじゃ逃げないように,石でかこってしまおうぜ。」
「よしよし(にんまりしながら)。これでもう逃げないな。」
「でもさ,何という名前のハチなのかな。」
「うーん。おいらも分かんねえなあ。」
「どうしようか。こまったなあ。」
「あ! そうだ。あの人がいた!」
「だれだよ。だれだよ?」
「知らねえのかよ。モンタ博士がいるじゃんかよ。」
「そうだ! そうだ! いたいた。」
「よし! それじゃ,会いに行こう!」
ということで,YくんとMくんは,モンタ博士研究所に行ったとさ・・・。
「モンタ博士!」
「モンタ博士!」
「どうした? どうした?」
「あのね,Mくんと遊んでいたら,国立第七小学校の校庭でハチみたいなものを見つけたんです。」
「それで,何という名前のハチか知りたくて来ました。」
「何! ハチ? もう出てきたのか。どれどれよく見せてごらん。ふーん。これはね,たぶんね,『キンケハラナガツチバチ』というツチバチのなかまだね。」
「なんか長い名前だな。どうしてそんな名前なの。」
「金色の毛があり,おなか(はら)が長いから,そういう名前になったのさ。」
「ふーん。そうなんだ。なーるほど。」
「そうだな。もうそろそろ『啓蟄』だな。」
「え! 『げいじゅつ?』なんだそりゃ?」
「え! 『けがいくつ?』なんだそりゃ?」
「ちがうよ。『啓蟄』というのはね,くわしくはまたね。」