4.自然界のつりあい・環境保全・地質と地形の世界
(5)地質や地形の世界
(508)国立市タイムトラベル その2
「花ちゃん・オー君。この前のお話,少しは分かったかな。ちょっとむずかしかったかなとは思うけど,とっても大切なお話なんだよ。」
「むずかしかったところもあったけど,分かったところもあったわ。」
「つまり,ぼくたちの住んでいる国立市は,大きく3つの階段のようになっているということだよね。そして,その階段を作ったのは,多摩川ということですね。」
「そうだね。上の絵を見てもらうと分かるけど,関東ローム層の中からナイフのような石器や,おののような石器が見つかっているんだ。さらに,まるい礫のような打製石器などもあって,富士山が噴火して,吹き出した火山灰がふってくるような環境の中でも,すでに人が住んでいたことが分かっているんだよ。」
「それって,そうとう昔なんでしょうね。」
「すごい昔から,ぼくたちのご先祖様は,この国立に住んでたんだ。」
「そうだね。この時代の後に続く沖積世(ちゅうせきせい:ほぼ2万年くらい前)の時代になると,大きな変化があったんだけど,何だか分かるかな。」
「まったくちんぷんかんぷんです。」
「おいらもまいったな。分かんないや。」
「この時代になると,大陸と地続きだった日本列島がはなれて,今とほぼ同じ形になったんだ。考古学では新石器時代ともいうね。」
「縄文時代という言葉はどこかで聞いたことがありますが・・・。」
「よく知ってるね。日本では,新石器時代を縄文文化の時代ということもあるよ。武蔵野段丘や立川段丘の面は,縄文時代の人の生活の場だったんだ。」
「ところで,モンタ博士,国立市で一番初めに人が住みついた所はどこらへんなのですか。」
「とってもいい質問だね。それはね,谷保天満宮から南養寺あたりにかけての青柳段丘と,もう一つは,立川段丘下の矢川あたりではないかといわれているんだ。」
「どうして,そのあたりだと分かるのですか。モンタ博士。」
「それは,遺跡といってね,大昔の人々が生活していたようすが今も残されているからなんだ。」
「生活していたようす? どういうことだろう?」
「それはね,土器や石器がいくつも発見されて,大昔の人がそこに住んで生活していたしるしがはっきりと残っているからなんだよ。」