3.動物の世界
(4)鳥のなかま
(478)カワセミ
「うわあー! きれいな鳥だな。」
「この鳥はね,カワセミというのよ。ステキな鳥でしょ。『川の宝石』とか,『水辺の宝石』とか,『青い宝石』とかいわれているのよ。」
「おっと・・・。だれだい,おいらの名前を呼んだのは・・・。静かにしてくれないかな・・・。これからダイビングキャッチして,えさの小魚を取るところなんだから。」
「あ! ごめんなさい。カワセミ君がとってもきれいなので,オー君と感心していたところなんです。」
「まあ,そうだろうな。おいらほどきれいな鳥は,まあいないだろうな。」
「カワセミ君のようなきれいな鳥は,国立にもいるのですか。」
「まあ,国立駅のほうにはいないけど,谷保の近くにはしょっちゅういるよ。」
「それじゃ,ぼくたちもカワセミ君に会えるんですか。」
「そうだな,今は多摩川からの水を止めているけど,春から秋にかけてなら,谷保天満宮うらのハケ下の水辺で魚をつかまえているから,おいらに会えるよ。そういえば,この前,国立七小の校長先生がおいらの写真をとっていたよ。」
「そうなんですか。それじゃ,いつかお会いさせてください。ところで,カワセミ君は,どうしてそんなに口ばしがとがっているの。」
「よく聞いてくれたね。おいらは水にもぐって魚を取るだろう。そのために,くちばしが細くとがっているのさ。」
「ふーん。くちばしがとがると,そんなにいいの。」
「そうだよ。水の抵抗も少なくて魚もゲットしやすいんだ。新幹線の先がとがっているだろう。それは,おいらのくちばしをヒントにしたそうなんだよ。」
「へえー,そうなんだ。それから,どうしてそんなに青くきれいなの。」
「まず,おいらはしょっちゅう魚を取っているけど,それでも,いろいろな危険なことがあるんだよ。」
「危険なことって,どんなことですか?」
「生き物の世界にはね,『食って食われる』つまり,『食物連鎖』といってね,まあ,むずかしいお話はしないけど,おいらだって,タカやワシのなかまにねらわれる危険があってね,水の青さと同じようになっていれば見つかりにくいんだ。それから,青くキラキラ光るのも身を守るための理由だね。」
「そうか,だから,カワセミ君は青い体で水面ぎりぎりに飛ぶんですね。」
「そうなんだよ。あのね,それから,青く見えるおいらの体にも秘密があるんだよね。」
「秘密?何なの?」
「おいらの体が青く光って見えるのは,CDのうらに色がついていないのに,虹のようにきれいに光ったりするのと同じなのさ。」
「そのとおりさ。タマムシやモルフォチョウが青く光るのと同じなんだ。色には,色素色と構造色とあってね。高校生くらいになったらお勉強するけどね・・・。」
「モンタ博士! そんなむずかしい話やめな。それよりおいらを見つけに来て。」
「そうだ! みんなで『青い鳥』をさがそう!」