2.植物の世界
(8)植物の名前・分類・特性について
(467)旅する種 その2
「花ちゃん,オー君。いよいよあしたから7月だ。しっかりお勉強のまとめをやって,楽しい夏休みをむかえようね。」
「分かりました。ところで,今日はどんなお話をしてくれるのですか。」
「そうだな。それでは,『種のたび』のお話をしよう。」
「種のたび? あ! 思い出した。タンポポの綿毛がふわふわしたり,カエデのプロペラがくるくるしたりするやつだ。」
「そのとおりだね。よく覚えていたね。」
「それから,ドングリが重いから落ちるのも,種のたびですね。」
「そうだね。落ちた時の場所が川だったら,どんぶらこっこと水に流されるのも,種のたびだね。モダマという大きな豆は,海の上をプカプカとうかんで,あちこちに旅するそうなんだ。」
「風や水など自然の力は大きいですね。」
「そうだ。自然の力は大きいね。ところで,木の実が赤く色づいたりして,鳥さんに食べられて運ばれるのも種のたびだけど,これは自然の力ではないね。」
「つまり,動物に運んでもらうのですね。」
「鳥だけじゃない。人間だって運ぶぞ。」
「あ! 分かった。『ひっつき虫』ね。」
「『ひっつき虫』といっても,動物ではなくて,植物なんだ。」
「二人ともよく知っているね。今日はみんなのために,ひっつき虫のオナモミという植物を持ってきてあげたよ。」(正しくはオオオナモミです。)
「わーい,わーい。うれしいな。オナモミで遊ぶと楽しいよね。」
「でも,モンタ博士。今は秋でもないのに,よく見つけられましたね。」
「みんなに見せるために,去年の秋に,取っておいたのさ。それから,オナモミだって,植物だろう。アサガオと同じようにまいてみたらどうなるか実験したらおもしろいと思って,取っておいたのさ。」
「なーるほど。オナモミって,おもしろいけど,さがそうとするとなかなか見つけられないんだ。」
「そうだろう。だから,たくさん種のうちからまいておいて,校庭のあちこちに植えておけばいつでも楽しめるよ。」
「種からどのように変化するか,実験すれば分かるわけですね。」
「そりゃ,楽しそうだ。おいらもおうちで鉢にまいて実験します。」
「そのために,たくさん取っておいたのさ。オナモミがほしい人は,中休みに校長室に行ってごらん。一人2つくらいもらえると思うよ。」
校長室前に,3粒ずつまいたオナモミがあります。種が発芽して大きくなったようすがよく分かります。みなさんでぜひ見てください。